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つなぎ合わせることが今後いっそう大事になってくる
メンタリングは1チーム15分という時間で全チーム行なわれ、日本アイ・ビー・エム以外にも、その企画に興味を持った協賛企業の担当者が同席して行なわれていた。今回のハッカソンでは事業化を前提に開発が行なわれているが、宇藤氏は「ビジネスモデルに持っていくのに期待できそうな企画がある」と、「協賛企業からも興味がある、具体的に話をしたいというケースが出てきている」と、メンタリングの場での感触を語った。
さらに、「ハッカソンの成果物のクオリティを上げるのはもちろんだが、その先を見据えて、ここをクリアできればよりよくなるといったような意見が出ている」という。このハッカソンが終了したら、次はビジネスのビルドフェイズとなることもあり、「ハッカソンだけで終わらずにイノベーションを創出していきたいし、この先どのようになっていくのかについても期待している」と、参加者、協賛企業とともに、この後の展開についても期待を寄せていた。
今回協賛企業内にある情報を提供してもらっていることに関しては、「企画によっては、この使い方はおもしろそうだと思えるものもあるし、こういう方向性で使われるとうれしいという期待値もある。その中で、いろいろな人が関わることによって新しい切り口や価値が生まれてくることを実感している」と述べ、「データがリアルであるから、そこから生まれるソリューションにも現実感があって、実現性が高くなる」と、データ提供に対してのレスポンスの質の高さにも注目していた。
「これからのイノベーション創出にはこうした新たな取り組みが必要」という宇藤氏。
「これまでは自社内で固めることが必要だったが、これからは市場の変化、消費者の多様性、さらに日々変化していくスピード感に追いついていく、対応していくという意味で、それぞれの企業のつながりを活かしながら、サービスをインテグレートして提供していくアプローチが必要となる。このハッカソンはそのリアルワールドであり、様々な提供データを組み合わせることで化学変化も生まれている」と、成果への期待を伺わせた。
3日目はいよいよプレゼンテーションを開催
9月6日に開催されるDemoDayへ進めたのは11組
2日目に引き続き開発が進められた3日目。プレゼンテーションは16時半から開始となるため、ぎりぎりまで開発を行なっていた。
そしてプレゼンテーションを開始。会場がパーティションによって3分割され、3組同時にプレゼンが進行するというスタイル。テーマ別に分かれて行うプレゼンはそれぞれに協賛企業の審査員が入り、2日間でまとめられたスライドや、実際のデモなどを食い入るように見つめていた。
各チームのプレゼン時間は5分とされ、時間をオーバーした場合には強制的に終了される。短い時間で企画を伝えようと、各チームが創意工夫をこらしたプレゼンを行なった。
プレゼンは全チーム終了までに2時間近くを要する大プレゼン大会となった。プレゼン終了後は審査の間、参加者の交流を深める意味も含めた懇親会が行なわれた。
そしていよいよ結果発表。まずは「Tech in Asia賞」が発表され「UMYAH」チームが選出された。そして、9月6日に開催される最終日Demo Dayに進出するチームを発表。選出されたチームは「Nishida Lab.」、「九工大 河野研究室」、「メディアシステム」、「セーフマスター」、「UMYAH」、「ボウサイワトソン」、「AO(アオ)」、「クレスコ九州&クレスコ」、「Japan QIK」、「Chronos」、「THINKTANK」の11チーム。会場は選ばれたチーム、選ばれなかったチームに関わらず、大盛況となった。
今回のハッカソン2日間を通し、日本アイ・ビー・エム 九州地域担当 専務執行役員の武藤和博氏は「これだけの盛り上がりのすごさに、九州の熱さを感じた。九州はアジアへの玄関口でもあり、世界に向けての広がりもある」と、その盛況ぶりを高く評価していた。
10日後の決勝についても、「勝ち上がったチームにさらにブラッシュアップしてもらい、仕上がった企画について複数の企業で一緒に進めようというところへ持っていきたい」(武藤氏)とし、「ここから何かが生まれることを期待している」と、すでにハッカソンの結果の次へ想いを馳せているように感じられた。
今回決勝へ進出した11チームは、9月6日に開催される決勝DemoDayにて最終プレゼンテーションを行い、最優秀賞、優秀賞、ソフトバンク賞などの賞を競うこととなっている。
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