サティアイズムのさらなる浸透に向けた節目
平野社長は、こんな指摘をする。
「同じCOOが、同じやり方で11年間やってきた。言い換えれば、サティアが何かをやろうとした時に、その手法がクラシックになっていた部分もあったといえる。これが、新たな体制のもとでモダンなものに変わり、もっとインクルーシブで、もっとダイナミックなものへと変化していくのではないだろうか」。
すでにそれが、今年のミッドイヤーレビューで見られていたともいえよう。
ただ、平野社長はその一方で、こんな指摘もする。「これは過去のものを破壊するというものではなく、今あるものを活かしながら、新たな時代のものへと進化する。その中で、サティアイズムというものが浸透していくのではないだろうか」
今回のWPC 2016は、サティアイズムのさらなる浸透に向けた節目のひとつであったことは間違いない。
いよいよクラウドに大きくシフトしたWPC2016
ターナー氏は、バルマーCEO体制としては最後となった2013年7月に開催されたWPC 2013において、「4年前のこのカンファレンスで、参加したパートナー企業に対して、クラウドを選択しそれに取り組んでほしいと初めて言った。結果として、これまでに2万2000社のパートナーがマイクロソフトと一緒になってクラウドビジネスを実行してくれた。その点に感謝したい」としながらも、「なぜ、残りの63万社のパートナーはクラウドに乗り遅れているのか」と強い口調で発言。「ぜひクラウドの船に乗ってもらいたい。一緒にクラウドに行こう。今こそがチャンスである」と訴えた。
パートナービジネスは新たなビジネスからのシフトが最も時間がかかる領域だ。既存領域のビジネスが収益源となっているため、なかなか新たなビジネスへと踏み出せない環境にある企業が多いからだ。そのパートナービジネスが、いよいよクラウドに大きくシフトしたのが今回のWPC2016。
ターナー氏のいないWPC2016は、マイクロソフトのクラウドシフトに向けた体制づくりが、パートナーを巻き込んだ最終段階に到達したことを示すものになったといえるだろう。だが、かつてのWPCは、スティーブ・バルマー氏とケビン・ターナー氏のふたりによる迫力ある基調講演が「花」でもあった。そのふたりがいないWPCは、どうしても寂しさも感じざるを得ない。
しかし、これがクラウドファースト時代のWPCというのならば、それも仕方がないということなのだろうか。
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