このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

マイクロソフト・トゥディ 第188回

海底データセンター「Project Natick」 - マイクロソフトが挑む次世代プロジェクト

2016年04月12日 11時30分更新

文● 大河原克行、編集●ハイサイ比嘉

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

1ラック分のサーバーを搭載した海底データセンターを水深10mに沈めて実験

 Project Natickでは、2015年8月~11月の105日間、米カリフォルニア州サンルイスオビスポの沿岸1kmの位置で、1ラック分のサーバーを搭載した海底データセンターを水深10mの場所に沈め、Azureのワークロードを実行する実験を行なった。

船を使って沿岸1kmの位置で、10mの水深に沈めて実験を行なった

 海底データセンターは、水が入り込まないように密閉したカプセル型のもので、1ラック分なのでそれほど大きくはない。だが、ラック1台分の重量はかなりのものだ。クレーンを使って持ち上げ、海底に設置した。

クレーンを使って持ち上げ、海底に設置

2015年8月から約3ヵ月に渡り沈めた海底データセンター

 この実験では、海底データセンターにおける冷却効果や発電能力、リモート操作や運用監視が行なえるかどうかといった調査をはじめ、データセンターを海底に設置した際に、その場所にどんな影響を及ぼすのかといった自然環境への配慮などについても調査した。

 Cutler氏は、「実験の結果、まずまずの成果が上がったと考えている。次回は20ラック程度に大型化し、水深100m程度の海底に沈めた実験を行ないたい」と実験の取り組みが次のステップに進むことを示した。さらに今後は、再生可能エネルギー関連企業との連携を進めたいとしている。

 Cutler氏は、「Project Natickは次世代のデータセンターの姿になる可能性がある」とする。海底データセンターの実用化の時期は未定だが、実用化に向けて、着実な歩みを見せているのは確かなようだ。


前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン