今回は、グローバルモデル「Xperia T2 Ultra」と同時期に発表され、2014年前半に登場したエントリークラスの小型モデル「Xperia E1」をご紹介します。
海外モデルにはシングルSIMとデュアルSIMモデルがよく用意されますが、実際手にしたのはデュアルSIMの「Xperia E1 Dual」(正式型番はD2105)です。
カラバリはブラック、ホワイト、パープルという定番の3色ですが、素材がプラスチックなこともあって、質感はまるで別モノです。
「Xperia T2 Ultra」や「Xperia M2」のような光沢感のある仕上げではなく、触るとマットな質感で、見た目的には「防水なの?」と思いがちですが、構造上防水や防滴といった機能はないようです。
ディスプレーサイズは4型と、「Xperia Z1 f」や「Xperia A2」の4.3型よりもさらに小さく、解像度も480×800ドットと低めです。
ホワイトカラーのモデルはサイドがブラックになっているため、パンダっぽい可愛らしさすら感じます。背面に320万画素のカメラがあり、印刷ではなく彫り込まれたSONYロゴは、中にシルバーのプレートが埋め込まれていてちょっとオシャレです。下に見えるイクラのようなマークの部分は実際に穴が空いており、内側のスピーカーからの音の通り道になっています。
素材感はいつもと違いますが、デザインテイストはXperiaシリーズのトレンドそのままに、側面のサイドプレートに電源ボタンと音量ボタンを配置しています。ただし、樹脂製です。
端子類はダイレクトに挿せるイヤフォンジャックと“WALKMAN”ボタン、microUSB端子を備えています。ディスプレー面の下にLEDのイルミネーションランプがあり、通知があるとさまざまな色で光るギミックもあります。
サイズは62.4(W)×12(D)×118(H)mmで重量は約122g。本体サイズを「Xperia Z」「Xperia E1 dual」「Xperia Z Ultra」と比べてみると、ディスプレーと本体サイズが拡大していくXperia Zシリーズとは対照的に、手の中に収まるくらい小さいところにインパクトがあります。コンパクトとはいえ、厚みはそこそこあるのでしっかりグリップしやすいサイズ感です。
なにか似た感覚のXperiaがあったかと思ったのですが、「Xperia go」が近いですね。CPUはSnapdragon 200(MSM8210、1.2GHzデュアルコア)、メモリー512MBでストレージは4GBと、スペックだけ見ると、この時期の端末してもかなり低スペックです。
それでも、実際に使ってみるとデュアルコアなのでアプリでひっかかることもなく、大量にアプリを開かなければそこそこふつうに使えてしまいます。
「Xperia E1 dual」は下部から爪を引っ掛けると、パコっと背面カバーを外せるタイプです。以前はこのタイプが多かったのですが、すっかり一体型ばかりになってしまったので、ちょっと懐かしい感じもします。バッテリーも交換式で「BA900」を採用しているあたりも昔と同じです。
バッテリー容量は1700mAhと控えめですが、「省エネモード」を設定することでバッテリーの消費を極力抑えて、より長く使えるようカスタマイズもできます。
microSDカードのスロットは、バッテリーを取り外さないと入れ替えできないようになっていました。本体下部に見えるのはスピーカー。小さなボディーのわりに相当に大きいモデルが搭載されており、100dbの音声を出せるそうです。
このモデルはデュアルSIM対応なので、当然SIMスロットが2つあります。こちらもお約束ですが、海外でSIMを使う際はWCDMAとGSMを用意すると併用できます。
480×800ドットという解像度も、画面サイズが4型なのでドットの粗がすごく気になるということもなく、ふつうに視認できます。とは言いつつ、PC向けサイトのブラウズは非常に厳しいので、スマホ向けサイト専用で使うのが賢明です。また、エントリーモデルにはありがちですが、Xperiaには必須ともいえる「POBox」が入っていませんでした。これは残念。
「Xperia E1 Dual」の独特なポイントは“WALKMAN”キーです。スリープ以外の時、このWALKMANキーを1回押すと、音楽再生を開始します。再生中にもう1回押すと、音楽停止、2回カチカチっと素早く押すと曲送りなどもできます。これらはすべて水面下で動作するため、画面上で邪魔にならず非常に便利です。
さらにおもしろいのは、エイっと「Xperia E1 Dual」をシャッフルすると、楽曲をランダムに再生してくれること。ちなみにWALKMANキーを1回長押しすれば、WALKMANアプリ自体を立ち上げることもできます。
そして、100dbという大音量を出力できるスピーカー。スマートフォンのスピーカーの音は小さいことが多く、外の喧騒の中では聞き取りにくい場合もありますが、音質は抜きにしてもかなり音量は大きめです。「ClearAudio+」や「サウンドエフェクト」といった機能はしっかり備わっています。
純粋にWALKMANキーでの音楽機能がなかなか使いやすく、エントリークラスの安価なモデルとは言いつつも、小さくシンプルな音楽プレーヤーとしておもしろいモデルでした。
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