OCZは、この4月から東芝の子会社であるTOSHIBA Electronics America Components Inc.のSSDビジネスユニットとして統合され、クライアント市場向けの東芝製SSDブランドとして活動することとなった。ただし、会社組織が変わったとはいえ、今後も多くのコンシューマー向けラインナップを展開していくようだ。
コンシューマー向けSSDの中でも、コストパフォーマンスの高さで人気のメインストリーム向け製品が「Trion」シリーズだ。4月上旬発売予定の「Trion 150」は、2015年7月に登場した「Trion 100」の後継となる製品だ。
前モデルのTrion 100は、東芝製の19nmTLC NANDフラッシュを採用していたが、Trion 150では、東芝製の15nmTLC NANDフラッシュを採用している。カタログスペック上のリード速度やライト速度は、Trion 100もTrion 150もまったく同じだが、キャッシュのアルゴリズムなどが改良されており、実使用でのスループットが向上している。
Trion 150は、SATA 6Gbpsに対応した2.5インチフォームファクターのSSDであり、容量は120GB/240GB/480GB/960GBの4モデルが用意されている。
シーケンシャルリードは全モデルで最大550MB/s、シーケンシャルライトは120GBモデルが450MB/s、240GBモデルが520MB/s、480GBモデルと960GBモデルが530MB/sである。
また、ランダム4Kリードは120GBモデルのみ7万9000IOPSで、残りはすべて9万IOPSであり、ランダム4Kライトは、120GBモデルが2万5000IOPS、240GBモデルが4万3000IOPS、480GBモデルが5万4000IOPS、960GBモデルが6万4000IOPSである。
メインストリーム向けといってもスペックはかなり高く、SATA 6Gbps対応SSDとしてはトップクラスだ。
また、書き込みへの耐久性を示すTBWは240であり、メインストリーム向けSSDとしては非常に優秀だ。製品保証も3年と長く、通常のメーカー保証よりも手厚い「シールド・プラス保証」が付帯している。
これは、SSDのシリアル番号さえあれば(購入時のレシートは不要)、万一製品が故障したら、即座に新品と交換してくれるというものだ。申し込みはウェブサイトから可能であり、ユーザーが送料を負担する必要はない。ユーザー視点にたった保証といえるだろう。また、英語は苦手というユーザーには、これまでどおりの国内代理店保証も提供される。
Trion 150シリーズ スペック表 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
型番 | TRN150-25SAT3-120G | TRN150-25SAT3-240G | TRN150-25SAT3-480G | TRN150-25SAT3-960G | ||
容量 | 120GB | 240GB | 480GB | 960GB | ||
フォームファクター | 2.5インチ/7mm厚 | |||||
接続インターフェース | SATA3.0(6Gbps) | |||||
NANDフラッシュタイプ | 東芝製15nm TLC NAND | |||||
コントローラー | 東芝製 | |||||
シーケンシャルリード | 550MB/s | 550MB/s | 550MB/s | 550MB/s | ||
シーケンシャルライト | 450MB/s | 520MB/s | 530MB/s | 530MB/s | ||
4Kランダムリード(4KB/QD32) | 7万9000 IOPS | 9万 IOPS | 9万 IOPS | 9万 IOPS | ||
4Kランダムライト(4KB/QD32) | 2万5000 IOPS | 4万3000 IOPS | 5万4000 IOPS | 6万4000 IOPS | ||
消費電力 | アイドル時:830mW 動作時:4.8W | |||||
MTBF(平均故障間隔) | 150万時間 | |||||
TBW(総書込容量) | 30TBW | 60TBW | 120TBW | 240TBW | ||
日あたりの書込量 | 27 GB/day | 55 GB/day | 110 GB/day | 219 GB/day | ||
製品保証 | 3年間 |
Trion 150は、最新の15nmプロセスルールで製造されたNANDフラッシュを採用しており、従来のTrion 100に比べてカタログスペック上の性能は変わらないものの、実使用では最大50%性能が向上しているという。
そこで、旧モデルのTrion 100とパフォーマンスを比較してみた。テスト環境は、以下に示した通りであり、容量はTrion 150、Trion 100ともに480GBモデルである。 OSもTrion 150およびTrion 100にインストールして、そこから起動してテストを行なった。
テスト環境 | |
---|---|
CPU | Intel「Core i7-5775C」(3.3GHz/3.7GHz) |
マザーボード | ASUS「MAXIMUS VII GENE」(Intel Z97 Express) |
ビデオカード | AMD「Radeon HD 7700」 |
OS | Windows 10 Pro |
この連載の記事
-
第439回
自作PC
暴れ馬すぎる「Core i9-14900KS」、今すぐ使いたい人向けの設定を検証! -
第438回
デジタル
中国向け「Radeon RX 7900 GRE」が突如一般販売開始。その性能はWQHDゲーミングに新たな境地を拓く? -
第437回
自作PC
GeForce RTX 4080 SUPERは高負荷でこそ輝く?最新GeForce&Radeon15モデルとまとめて比較 -
第436回
デジタル
環境によってはGTX 1650に匹敵!?Ryzen 7 8700G&Ryzen 5 8600Gの実力は脅威 -
第435回
デジタル
VRAM 16GB実装でパワーアップできたか?Radeon RX 7600 XT 16GBの実力検証 -
第434回
自作PC
GeForce RTX 4070 Ti SUPERの実力を検証!RTX 4070 Tiと比べてどう変わる? -
第433回
自作PC
GeForce RTX 4070 SUPERの実力は?RTX 4070やRX 7800 XT等とゲームで比較 -
第432回
自作PC
第14世代にもKなしが登場!Core i9-14900からIntel 300まで5製品を一気に斬る -
第431回
デジタル
Zen 4の128スレッドはどこまで強い?Ryzen Threadripper 7000シリーズ検証詳報 -
第430回
デジタル
Zen 4世代で性能が爆上がり!Ryzen Threadripper 7000シリーズ検証速報 -
第429回
自作PC
Core i7-14700Kのゲーム性能は前世代i9相当に!Raptor Lake-S Refreshをゲーム10本で検証 - この連載の一覧へ