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特集「ソードアート・オンライン ザ・ビギニング Sponsored by IBM」 第1回

まさかのコラボ「ソードアート・オンライン ザ・ビギニング Sponsored by IBM」発動

「老後はVRゲーム廃人に」SAO川原礫先生 IBMと一緒に未来を語る

2016年02月22日 14時00分更新

文● 盛田諒 撮影●神田喜和 編集●村山剛史/ASCII.jp

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コグニティブ・コンピューティングの驚異
「すごいなと感じつつ、ちょっと怖さも感じました」

 そんな川原先生にIBMが紹介したのは、「Watson」と呼ばれる開発中のコグニティブ・コンピューティング・システム。人と同じように情報から学び、経験から学習するという、まさに川原先生が想定している未来にかなり近づいている。

 なかでも川原先生を驚かせたのは、ソーシャルメディアを使ったデモだった。

 そのデモ映像では、男性が大きなディスプレーの前に立っている。

 男性は電力会社に勤め、大雪に備えた停電計画を考えている。ディスプレーの向こうに「セリア、そこにいる?」と話しかけると、「はい」という返事がある。セリアというのは女性エージェントだ。もちろん人間ではない。コンピューターだ。

ディスプレーに問いかけると答えが返ってくる――まさに思い描いていた未来の光景だが、IBMのコグニティブ・コンピューティングは手の届く技術なのだ

 「目的は保守? 緊急計画?」とセリア。「緊急計画だ」と男性。セリアは求めに応じて「緊急計画コグ」というシステムを起動させる。システムを使って、停電予測マップを出したあと、男性はふとあることを思い出す。

 「前回の停電では政治家や顧客から苦情が来た……なんだったかな」

 男性はセリアに頼み、前回の停電に関するニュースを挙げてもらう。次にソーシャルメディアを利用して、ニュースに共通した苦情を挙げさせる。2つのキーワードが浮かび上がる。「そうだ、学校や病院での対応を責められたんだ」

 このデモに登場するコグニティブ・コンピューティング・システムは、独立したシステムAPI群である「コグ」を、人工知能エージェントのセリアがつなぎ、意思決定の支援をする機構だ。その一環としてソーシャルメディアの感情(センチメント)分析機能を使っている。

 この感情分析はマーケティングにも使われる。

 IBMアルマデン研究所の基礎研究では、言葉の使い方に応じて、最もふさわしい相手に広告を表示させるシステムを開発中だ。

SNSでの発言内容・時間などを元にターゲットの性格を分析し、その人に特化した広告を適切な時間に送ることができる

 はじめに性格を5つの因子で分類する「ビッグ・ファイブ」と呼ばれる科学的アプローチからパーソナリティを把握。次に、強く求めているものを12種類の分別から明らかにして、最後に、何に価値を見出すかを4象限で判断する。

 その結果、たとえば「協調性が高く、親密性を求めていて、社会性があるものに価値を見出す」タイプだと判断されたら、手づくりであり、環境を破壊せず、利益の一部が慈善団体に寄付される──といった商品を表示する。

 川原先生はデモを見たあと「すごいなと感じつつ、ちょっと怖さも感じました」と話した。プライバシーについてだ。

人間の意思決定を助けるコグ
「文体のリズムを整える手助けをして欲しい」

「SNSでも個人情報はなるべく漏らさないよう警戒している」と川原先生

「情報漏えいへの強さが、結果的にサービスの快適さにもつながります」と日本IBMの武田浩一氏

 「分析されたら相当なことがわかる。ぼく、ツイッターで自分の個人情報を漏らすことを警戒していて、現在地なんかは基本的に言わないようにしてるんです」

 とはいえ自分自身は“ソーシャルカメラ推進派”である川原先生。問題は情報を正しく扱えるシステムが出てきてくれるかどうかだと考える。

 「ジェフリー・ディーヴァーというミステリー作家が『The Broken Window』(邦題『ソウル・コレクター』)という小説を書いているんです。犯罪者がSNSでターゲットを丸裸にして、ガンガン破滅させていく。

 あれはSNSへの警鐘のようなものなんですが、今後はソーシャルメディアというものなしには生きていけない時代。セキュリティーと、便利に利用することのバランスが大事かなと思います」

 IBMも情報セキュリティには細心の注意を払っている。同社は現在デジタルビジネスにおいて「CAMSS」という5つのアプローチをとっているが、クラウド、アナリティクス、モバイル、ソーシャル、そして最後のSはセキュリティーの頭文字だ。

 「複数のサービスが連携するとセキュリティーの脆弱性は高まり、お客様がサービスを提供できなくなる危険も出てきます。情報漏えいに強いという点は、快適さという面からも強化されなければならないのです」と、日本IBMの武田浩一氏。

 セキュリティーを担保しながら、人間のように思考し、意志決定を助けるコグニティブ・コンピューティング。作家として仕事をしていてコグが必要と感じることはないか尋ねると、文体のリズムを整えるのに必要だという答えが返ってきた。

 「小説は文章のリズムがすごく大事なんですけど、同じ単語が近接してるとリズムがすごく悪くなるんです。なので、同じ単語が近接してるのを自動でプログラムで抜き出してくれたらいいですね。同じ言い回しを防ぐとなると語彙力の勝負なので類語検索の精度も上がってくれると助かります」

 またエージェント・セリアについて「個人的なプランナーとして当日の予定をマネジメントできたらいいかも」と、デジタル秘書サービスにも期待を寄せていた。「もしかしたら彼女や奥さんとの仲が険悪になるかもしれないですけど(笑)」

 人間の脳を模した『TrueNorth』を発表するなど、思考するコンピューターの研究開発を進めているIBM。いまや現実とSFは区別がなくなりつつある。果たして川原先生が未来を描くのが先か、IBMが未来をつくるのが先か──

 「ソードアート・オンライン ザ・ビギニング Sponsored by IBM」の先には、本当のSFの世界が広がっている。

(提供:日本IBM)

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