今回のことば
「電話の利用者が5000万人に到達するまでに75年。それに対してポケモンGOはわずか1週間で6500万人の利用者になった。世の中は大きく変化しており、昔ながらのやり方が通じない世界が訪れている」(日本オラクルの杉原博茂社長兼CEO)
日本オラクルが、7月27日に開催した「Oracle Modern Business Experience 2016」は、当初予定の3倍の申し込みがあったことから、基調講演は本会場のほかに3つのサテライト会場を結ぶほどの盛況ぶりとなった。
同イベントは、「Digital Transformation~新しい変革のちから」をテーマに、人事、経理・財務、購買・調達、営業・販売、カスタマーサービス 、マーケティング・広報などの業務に携わる人たちを対象に、マーケティング、サービス、セールス、HCM、ファイナンスなどの最新ソリューションを紹介。新たなビジネスの創出、意思決定の質的向上、ビジネスのモダンアプローチなどの具体的な施策を示すものとなった。
オラクルが語るクラウド化の成果
基調講演では、米オラクルのオラクル・アプリケーション・ラボ グループパイスプレジデントのパウロ・ユバラ氏が、「Oracleが自ら取り組む社内クラウド実践事例」と題して、同社基幹システムのクラウド化への取り組みについて説明。2012年にスタートしたクラウド移行プロジェクトでは、会計、サプライチェーン、人事システム、マーケティング、SFA、見積システムと幅広い領域に渡って、クラウド化。新年度が始まる来年6月には、すべての会計システムをクラウドに移行させ、2017年12月に完了させる計画だ。全世界14万人の同社社員が、100%クラウド化したITを活用することになるという。
すでに成果はあがっており、同プロジェクトを通じたクラウド化によって、1人あたりが実行したITプロジェクトの数は30%向上し、決算発表まで期間は、6日間から5日間に短縮。Marketing Cloudを活用したリード生成率は3倍に、Sales Cloudにより顧客向けの活動が5倍に増加したという。また、CPQ Cloudを活用することで、セルフサービスによる見積もり件数の比率は70%にまで拡大。従来に比べて、バックオフィスの力を必要としない見積もり件数が6倍に増え、迅速化と効率化が図られたという。
「64%のビジネスリーダーが、クラウド化により、企業の俊敏性が高まったと回答しているように、いまは、なぜクラウドに移行するのかではなく、いつクラウドに移行するのかということがテーマとなっている。オラクルが進めてきたクラウド変革への道のりは、顧客を一歩先へ導くための道標となる」と語る。
オラクル・アプリケーション・ラボでは、自らがオラクルのクラウドアプリケーションを運用することで、その経験に基づいた改善を実施。ベストプラクティスを顧客に提案するとともに、製品開発部門へとフィードバックし、製品の改善にも貢献する役割を担っていることも強調した。
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