PCゲームのダウンロード販売サイト『Steam』から、面白いゲームを発掘して紹介するレビュー連載。第10回目は、企業に潜入して機密情報やアイテムを盗み出すステルスストラテジーゲーム『Invisible, Inc.』を紹介する。
ステルスゲームと言えば『アサシン クリード』シリーズや『メタルギアソリッド』シリーズが代表するように3Dアクションゲームのイメージがあるが、このInvisible, Inc.はターン制のストラテジーゲームだ。そのため、リアルタイム進行にともなう素早い操作を必要としない。
プレイヤーに求められるのは、いかに警備に見つからずに最深部まで潜入し、機密情報やアイテムを持ち帰られるかというステルス性――つまりうまく警備の動きを読み、いつセキュリティシステムをハックするか、どのようなルートで進むかといった思考能力が問われる。
また、本作は周回プレイで何度も楽しめることを前提に作られているため、潜入するたびにマップが変化するローグライク性も持っている。そのせいで「なんじゃこの作りは!」というマップもたまにできあがってしまうのだが、それもまたスパイに盗まれないために企業も努力している、ということにして楽しんでしまおう。
ワークショップで日本語化を導入
ゲームを始める前に、まずは日本語化を導入しよう。日本語化ファイルは有志が作成したものがSteamワークショップで公開されている。
Steam ワークショップ :: Japanese Language Pack (日本語化)
これをサブスクライブしてダウンロードしたあと、ゲームを起動。メニューの“OPTIONS”→“GAMEPLAY”の“Language”から「Japanese」を選んで、ゲームを再起動すれば日本語になるぞ。
記事執筆時点では一部のアイテムやDLCの翻訳がされていないが、そこはファンメイドということで完成まで応援して欲しい。
エージェントを操作せよ!
プレイヤーはスパイ派遣会社そのものではあるものの、ゲーム内では基本的にエージェントを操作していくことになる。エージェントはAPを消費して行動でき、APの許すかぎり1ターン内にいくつものアクションができる。
APがゼロになると相手のターンとなり、敵(おもに警備員や警備ロボット)が行動を開始する。このときに発見されるとセキュリティのレベル(警戒度)が上昇するうえ、次の自ターンでうまく逃げられなければ撃たれて倒されてしまう。
つまり、最も重要なのは警備に見つからないようにすることだ。たとえばドアも不用心に開けるのではなく、APを消費はするものの覗き窓から室内の様子を伺うことで出会い頭の発見を回避できる。
武器を使えば色付きでも再びデスパンチに!
なお、敵の視界に入っていなければどんな行動を取ってもバレないので、部屋に入る直前でターンを終了し、次ターンのAP満タンの状態から「部屋に入る→金庫から盗む→部屋から出る」といったパーフェクトプレイも可能だ。
ただ、これができるのは警備員にかぎった話で、監視カメラが相手だと部屋のほぼ全体を見渡しているため入った瞬間にアウト。
ではどうするのかというと、「インコグニータ」というスパイAIを介してセキュリティをハックすることでセーフにできる。ただし、ファイアーウォールの突破には電力が必要になるため、あらかじめエージェントが電力を確保しておくことを忘れてはならない。
警備員の動きを読め!
さて、視界を外している警備員への対処は「見てない隙に……」だが、こちらをじっと見ている真面目な警備員もいる。そういったときは、見えない位置から警備員をおびき出してしまおう。
のこのことやってきた警備員をスタンガンでKO(気絶)させれば、意識を取り戻すまでは安全にその場所を通ることができる。
もちろん、警備員が起きたら「スパイがいる」とバレるのでそこは計画的にKOさせていきたい。
そのほか遮蔽物を利用して通過する方法もある。警備員の視覚となる机や棚を利用し、画面上の黄色部分のタイルだけを移動すれば見つからずに先へと進める。
さらに、動きまわる警備員についてはその動きを読むのも重要だ。APを消費して次のターンの動きを読めば、どの遮蔽物に隠れれば良いのかが分かるぞ。
最終的にテレポーターまで到達し、無事に脱出できればゲームクリアとなる。
72時間以内に反撃の準備を整えよ!
さて、このInvisible, Inc.。好き勝手に企業から情報やアイテムを盗みまわっている悪者なのかと思うかもしれないが、ゲーム上は軍事力をもって世界を支配する大企業から情報を盗み出す活動をしているパルチザンのようなものだ。
ただ、そういった抵抗勢力に対しては企業もお得意の軍事力を使ってくるため、Invisible, Inc.は本部が急襲されてしまう。
一部のメンバーは脱出はできたものの、前述のAIインコグニータが補助電源では長くもたないために72時間以内に反撃の準備を整える必要がある、というのがストーリーだ。
世界にはびこる様々なブラック企業を相手に、反撃の準備を整えよう。
エージェントを協力させる?別行動させる?
なお、ストーリー本編が始まると2人のエージェントを同時に操作することになる。
それぞれを別行動させても良いが、つかず離れずプレイしていると一方が注意を引いているうちに一方が行動することもでき、この2人をどう動かすか、プレイヤーの手腕が問われるところだろう。
彼らをうまく操作し、警備員に見つかることなく無事に情報を盗み出そう。
そしてステージをクリアすれば、入手したクレジット(お金)を使ってエージェントのアップグレードができるようになる。とくにスキル「アナーキー」をアップグレードすると、警備員を倒すことなくクレジットやアイテムを入手できるため、これができるようになってからがゲームの本番だ。
一定のターンで目を覚ますためどのみちセキュリティレベルの上昇を防げない。また、警備ロボットはそもそもKOすることができない。となれば、これは最初から見つからないのが一番である。
しかし警備員の持っているセキュリティカードがあると、ないよりは楽にステージをクリアーできる。であればやることはひとつ。見つからないように後ろから近づいて盗んでしまえば良いのだ。
敵の姿は見えないけれど次々とセキュリティがハックされていき、気付いたら「やつは大事なものを盗んでいきました」という状況が作れれば最高だろう。
仮に見つかってしまっても、ギリギリまで粘るようなプレイも今後のために経験しておきたい。
この状態になるとリセットしたくなるが、実際はゲームオーバーになってその日の最初からやり直した方が早い。最後までプレイして、警備員の動きを学ぶことをオススメするぞ。
世界を支配する企業に負けないよう、今日も毎日盗みを頑張ろう!
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『Invisible, Inc.』
●Klei Entertainment
●1980円(2015年5月13日リリース) ※価格は記事掲載時点のものです
対応OS Windows、Mac
ジャンル アクション、独立系開発会社、ストラテジー
■著者:篠原修司
・Steamのプロフィールページ:Steam コミュニティ :: KiDD
・Twitter:@digimaga
Image from Amazon.co.jp |
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