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最新パーツ性能チェック 第181回

eスポーツプレイヤーのGPU選択肢を変える可能性を秘めた「GeForce GTX 950」

2015年08月21日 08時00分更新

文● 加藤 勝明 編集●北村/ASCII.jp

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ターゲットはMOBAプレイヤー

 さてこのGTX950だが、低予算でゲーム環境を整備したいエントリーゲーマーのほかに、現在eスポーツの中心にいるMOBA(Multiplayer Online Battle Arena)系ゲーム、つまりLoLやDota2などのプレイヤーも標的にしている。

 ここで注目したいのが、NVIDIAがゲーマーのレスポンスタイム向上という要素を盛り込んできたことだ。ここで言うゲームのレスポンスタイムとは、画面がレンダリングされたのを見てから操作する時間のことだ。

 GTX950はMOBAゲーマーにおける所有率の高いGTX650からの乗り換えを睨んでいるが、GTX950を使うことでレスポンスタイムを約半分に減らせるという。

GTX950を使うことでユーザーのレスポンスタイムはGTX650の80msから45nmへ短縮するという

 ではなぜレスポンスタイムが短くなるか? GTX950の性能が高いからレンダリングが短時間で終わるからという理由のほかに、MOBA系ゲームの“低レイテンシー設定”を設けるというものだ。

 この低レイテンシー設定はDirectXのパイプラインを絞り、今まで2パイプラインで処理していたところを1パイプラインで処理させる、というもの。これにより画面出力へのタイムラグが短縮されるからだ。

 もちろんこれを破綻なく実行させるには高い処理能力が必要になる。もともと描画が軽いMOBA系ゲームと、第2世代MaxwellベースのGTX950の組み合わせだからできること、といったところだ。

パイプラインを単純化しプリレンダーするフレームを抑えればその分レイテンシーが減る

 この機能を使うにはGTX950のほかにGeForce Experienceの力が必要になる。LoLやMOBAを低レイテンシー化するプロファイルが用意され、これを選択して“最適化”ボタンを押すことでゲームに反映させるという仕組みだ。

 ただ今回のテスト環境ではどう試しても低レイテンシープロファイルが出現しなかった。これはまた別のチャンスに検証してみたい。

NVIDIAの資料に付いていたスクリーンショット。LoLとDota2用に低レイテンシープロファイルが用意されている

ベンチ環境は?

 それではベンチ環境を紹介しよう。これまでHaswell+Windows 8環境を使ってきたが、今回はSkylake-S+Windows 10環境でチェックしている。比較用ビデオカードとしてGTX960/GTX750Ti/GTX750のほかに、GTX650も用意した。

テスト環境
CPU Intel「Core i7-6700K」(4GHz、最大4.2GHz)
マザーボード ASUS「Z170-A」(Intel Z170)
メモリー Crucial「BLS2K8G4D240FSA」(DDR4-2400、8GB×2)
ビデオカード Palit「NE5X950S1041-2063F」(GeForce GTX 950)
ASUS「STRIX-GTX960-DC2OC-2GD5」(GeForce GTX 960)
ASUS「GTX750TI-PH-2GD5」(GeForce GTX 750Ti)
ELSA「GD750-1GERX」(GeForce GTX 750)
ASUS「GTX650-DCT-1GD5」(GeForce GTX 650)
SSD Crucial「CT1000MX200SSD1」(1TB、SATA3)
電源ユニット Corsair「RM650」(650W、80PLUS Gold)
OS Windows 10 Pro 64bit DSP版
グラフィックドライバー GeForce 355.60

(→次ページヘ続く 「ワットパフォーマンスで世代が一目瞭然」)

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