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最新パーツ性能チェック 第178回

「Radeon R9 Fury X」はUltra 4Kゲーマーの選択肢を変えるか?

2015年07月01日 16時00分更新

文● 加藤 勝明 編集●北村/ASCII.jp

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HBMは4GBという容量のハンデを
乗り越えられるか?

 前述の通りFury XはUltra 4K向けのビデオカードであるが、実際に今どきのゲームでUltra 4K設定にしてみると、VRAM使用量は4GBどころの話ではなくなる。

 ではなぜUltra 4K向けと標榜するのか? HBMの帯域をもってすれば4GBというハンデは帳消しにできるのか? その疑問を解消するため、4K&高画質設定でVRAM消費量が多くなる2本のゲームでテストしてみた。

 最初に「GTVA」を使ってみる。アンチエイリアスは「MSAA 4X」、モーションブラーや「高度なグラフィックスオプション」関連の項目はすべて最高、その他の設定も最も重くなるよう設定している。

 計測には内蔵のベンチマーク機能を利用するが、最もVRAM使用量が増える最後のシークエンス(pass4)の値を比較する。

「GTAV」フルHD設定

「GTAV」4K設定

 ベンチマーク中のVRAM消費量はフルHD時で約4.1GB、4K時では約5.3GB(GPU-Z読み)となる。筆者の経験上、VRAM使用量が5%程度オーバーするような設定でも速度低下のペナルティーはほとんど感じない。

 まずほぼ4GBで勝負するフルHDでは、メモリー帯域の太いRadeon勢が、最低fpsでGTX980Tiに対し優位に立っている点に注目したい。

 R9 290XやFury Xは、GTX980Tiに対しトップスピードはかなり劣るものの、最低fpsが高い分画面のカクつきがより目立たないといえる(ただしGTAVのベンチマークはスパイク的なフレームレートが発生しやすいため、参考程度に)。

 ただし4KになりVRAM不足が顕在化すると、VRAMを4GBしか持たないRadeon勢の最低fpsが一気に下がる。Fury Xは最高fpsではGTX980Tiに勝るが、ほんの2フレーム程度しか維持できないため、平均fpsではGTX980Tiに負けてしまう。

 もうひとつ凶悪な重さを誇る「アサシンクリード ユニティー」も試してみた。このゲームのVRAM使用量はフルHD&画質“最高”設定では4.1GB程度だが、4Kでは8GB近くまで増加する(TITAN X環境で確認)。

 6GBのGTX980Tiでもキツいが、4GBのFury Xではどうだろうか? ここでも「Fraps」を使い、街中の一定のコースを移動した時のフレームレートを比較する。

「アサシンクリード」フルHD設定

「アサシンクリード」4K設定

 まずフルHD設定では、結果こそGTX980Ti>Fury Xだが、フレームレートの差はウイッチャー3に比べかなり小さい。HBMの速さであると断定できるデータはないが、従来のRadeonに比べFury Xのパフォーマンスの高さは確認できる。

 しかしVRAMが圧倒的に不足する4K環境では、4GBしか搭載しない点が完全に裏目に出ている。フレームレートがプレイ不可能なほどに下がってしまう現象は、同じ4GB搭載のGTX980などでも確認できる。メモリー帯域の太さはVRAMの枯渇をカバーできるものでないのだ。

 AMDは、VRAMが4GBと少ないデメリットよりも、帯域の太いHBMを使っているメリットをアピールしたいようだが、実際にVRAMが厳しい状況に追い込まれると、折角のHBMも帯域の太さをスポイルされてしまう、ということだ。

 Ultra 4K向けのビデオカードとして、VRAM増量モデルの一刻も早い登場が待たれるところである。

→次のページヘ続く (GPGPU用途ではかなり優秀

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