先端フォーマットをいち早く導入する、ノルウェーの2L
では、それぞれのオーディオ的なポイントを紹介しましょう。
当初は48kHzや44.1kHzのみに対応するものが多かったUSB DACですが、その後96kHz/24bitが主流になりました。2011年~2012年の段階では192kHz/24bitに対応した機種は貴重でした。始まり的にはDSDではなくPCMの再生からスタートした形になります。
DSDのファイルを当初から多く保有していたのが、ノルウェーの2Lです。Morten Lindbergという、オスロ工科大学をでたエンジニアが作った会社で、政府からも援助を受けています。ノルウェーの演奏家やリソースを使った音楽をやるのならば、録音費用を出してもらえるわけですね。そこでLindbergさんは、リニアPCMの超ハイレゾ版DXDというフォーマットで352kHz/32bitのマスターを録って、そこからダウンコンバートで192kHz、96kHz、44kHz、MP3のファイルを作ります。さらにPCMからの変換で2.8MHzや5.6MHzのDSDを作り、またウェブサイトで無料のサンプルを提供しています。
2LはBlu-ray Audioへの取り組みも世界一早かった。Blu-ray Audioのコンテンツも種類が増えてきましたが、2Lは長くやっているぶん一番音がいい印象ですね。パッケージにはBlu-ray AudioだけでなくSACDも収められていて聴き比べできた。そんなマニア心をくすぐるようなソフトでした。
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