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麻倉怜士のハイレゾ入門講座 第4回

ヘッドフォンとハイレゾ、手軽な圧縮から本格的な音へ

2014年12月29日 11時00分更新

文● 編集部、語り●麻倉怜士

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 いい音は人類の本質的な欲求。しかしCDの登場から現在のハイレゾ配信ブームの間には、カジュアルオーディオ、つまり圧縮音源を手軽に聴く段階があった。ここではそんな流れも踏まえつつ、ハイレゾの意味について考えてみたい。

手軽な圧縮でいいやという風潮からの変化

 いい音で聞きたいという“欲求”は昔からあったんだけど、実はここしばらくの間トーンダウンした面もありました。というのはウォークマンの登場以降、耳の中で聞くオーディオというか、ヘッドフォンが主流になって、さらにデジタル処理で圧縮するという流れが出てきたためです。

ソニー最後のMDウォークマンとなった「MZ-RH1」。容量1GBのHi-MDに対応。MDに記録した音楽をATRAC3やWAVE形式でPCに転送する機能を持ち、MDのメディア単位ではなく、PCのHDDでアルバムをまたいで楽曲を管理する時代へバトンタッチした。

 圧縮の一番最初がMDですね。1990年代前半に製品化されて、次いでMP3やiPodのAACといったものが出てくる。その時期(2000年を挟んだ前後10年間)は、音がいいものをしっかり聴くというよりも、たくさんの音楽を携帯できるというのが重要で、プレイリストを作って好きな順番で聴くという新しさに興味が向かってしまっていました。それから、MP3のような音の悪い音源でも、それに慣れてしまうと、元々の非圧縮の音源が過剰に聞こえてしまう現象も起きています。

 そういうこともあるんですけど、それは“慣れていない”というか、“本当の音を知らない”ということでしょう。素直に考えて生の音には、“楽器の音”と“会場の音”という2つの要素がある。例えば、クラシックであれば、オーケストラがコンサートホールで演奏する。それを客席で聴きます。ジャズシンガーであれば、歌う声をマイクを通して聴くことになるけれど、これはライブハウスでも同じことです。

 これまでMP3だけを聴いていた人でも、生の音が悪いとは決して思わないでしょう。生の音に近いのがハイレゾですし、この2つの要素をきちっと出してくれるという意味での再現力もひじょうに高いものがあります。生の音のよさを喚起してくれる点も評判が立っている理由だと思いますね。

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