TITAN Xはゲーム用
GPGPUでは旧世代のTITANが有利
最後にGPGPUの演算性能を「Sandra 2015」を使って比較する。使ったテストは“GP(演算)”と“GP(科学的解析)”の2つだ。
単精度浮動小数点演算を実行する浮動小数点シェーダーはGPUの描画性能の傾向と一致。単純なシェーダー数やクロックが効いていると思われる。
しかし倍精度浮動小数点演算を使うダブルシェーダーになると、TITAN XやGTX980は性能が出なくなり、Kepler世代のTITANが伸びてくる。ちなみにTITAN BlackのDPモードでダブルシェーダーテストを実行すると、2133.7Mpx/secと、桁がひとつ違う性能になる。
GEMM(一般的マトリックス乗算)ではGTX980がとりわけ遅くなっているが、これはメモリーバス幅が狭いため、有効なスループットが得られないためと推測できる。
一方FTT(高速フーリエ変換)やN-Boby(N体シミュレーション)では旧世代TITANの圧勝。GPGPU分野においては、旧世代のTITANを使う方が十分に活用できる余地がある。逆に考えれば、TITAN Xは本当にゲームのことしか考えてないGPUなのだ。
女房を質に入れても欲しい!
4K狙いなら複数枚欲しいところ
さすが4Kゲーミングのための“獣”と言うだけあって、TITAN XはいかなるシチュエーションであってもGTX980を圧倒した。特に12GBもの巨大なビデオメモリーは4Kで究極の画質を求めるユーザにとっては垂涎の的。
価格が999ドル(約12万円)とバカ高いこと、さらにやや冷却に不安があるリファレンス仕様のみの提供という点が残念ではあるが、現時点ではワットパフォーマンス最強のGeForceといって間違いない。
弱点であったコイル鳴きもかなり解消され(ゼロにはなっていない)、魅力的なカードに仕上がっている。買えない筆者はとりあえず今の為替レートを呪っておくことにしよう。
しかし気になるのはAMDの動きだ。先日も海外サイトで390Xの描画性能はTITAN Xと同等、もしくはそれ以上というリークがあった。もちろん真偽は不明だが、NVIDIAにライバルがいない領域に製品を投入したという事実と合わせると、リークの真実味はかなりある、といって差支えない。
もちろん今の時代、ワットパフォーマンスが高くなければ魅力も半減……となるので、AMDが相当頑張らない限りはTITAN Xの懐に入り込むのは難しいだろう。今後AMDがどう出て、NVIDIAがどう反撃するか、ますます目が離せなくなった。

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