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今年も話題のスマホがたくさん発表! MWC 2015レポ第24回

2015年が勝負、Jollaは第3のOS「Sailfish OS」でOEMを獲得できるか?

2015年03月09日 11時00分更新

文● 末岡洋子 編集● ASCII.jp

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NokiaでMeeGoに携わっていたメンバーが中心のJolla
ソフトウェアトップに話を聞いた

 Androidに変わる選択肢を――そうやって立ち上がった新しい勢力のうち、最もエッジが効いた集団がJollaだ。約120人いる社員のほとんどがNokia出身で、同社のモバイルプラットフォーム「Sailsifh OS」はNokiaとIntelの「MeeGo」の流れをくむ。

 2013年末に発表したスマートフォンに続き、タブレットにも拡大。だが今年は「パートナー戦略を進める年」と位置づけており、いよいよモバイル業界の大海原に乗り出す。

2013年末に発売されたJollaスマホの第1弾

 MWC開催中のスペイン・バルセロナで、同社の共同創業者でCOO、ソフトウェアトップを務めるMarc Dillon氏にパートナー戦略を中心に話を聞いた。

――この1年を振り返って、経過をどうみていますか?

 素晴らしい1年だった。最初の端末「Jolla」の発売が2013年末、まだ端末は売れている。スマートフォン市場で1年以上売れている端末は珍しい。現在はEU、ノルウェー、スイス、スウェーデン、カザフスタン、ロシア、中国、インドなどで販売されており、アフリカでも間もなく開始する。

Jollaの共同創業者でCOOのMarc Dillon氏

 フィンランド、香港ではオペレーターとも提携しており、イタリア、エストニアなどでは小売店でも購入できる。中国ではTaobaoで提供している。

 OSは毎月アップデートしており、ユーザーからのフィードバックに応える機能を提供している。1年前に購入した端末でも、最新の機能が利用できる。

 2014年末には2製品目となるタブレット「Jolla Tablet」を発表した。顧客とのエンゲージを考えてクラウドソーシング形式をとり、顧客に事前に支払う形でコミットしてもらった。トータルで約226万ドルが集まり、予定通り第2四半期に出荷を開始する。タブレットにより、米国にも進出することになる。

スマートフォン「Jolla」とタブレット「Jolla Tablet」。Jolla TabletはIntel Atomベースで7.85型IPS液晶。クラウドファンディングサイトのIndiegogoでは64GB版が249ドル、32GB版が219ドルで販売された

――MWCでは「Sailfish 2.0」を発表しました。

 Sailfish OSをより強固にし、ユーザー体験をシンプルにした。マルチタスク技術は最高レベルだと自負している。さまざまなフォームファクタへの対応も特徴で、Jolla TabletもSailfish 2.0を採用している。

 もう一つの重要な特徴として、Intelアーキテクチャのサポートがある。IntelとはJollaの前身であるMeeGoで協力した関係で、素晴らしいプロセッサ技術を持っている。Sailfishで再び協業できることをうれしく思っている。

 Sailfish OSの完成度が高くなったことを受けて、MWCではパートナーイニシアチブ(Sailfish OS Alliance)を発表した。この1年でSailfishデバイスをパートナーとともに開発できるだろう。

AndroidはGoogleが一方的に何かを持ってくる状態
Sailfishはパートナー企業が最新版にアクセス可能

――Sailfish OS Allianceについて教えて下さい。GoogleのAndroid(Open Handset Alliance)とどのように違うのでしょうか?

 GoogleのAndroidの最新バージョンは、(中に何が入っているのかわからない)大きなトラックがやってくるようなもので、参加企業はフタを開けてみないと、どのような変更が必要になるのかわからない。

 このような状況に、モバイル業界の80%(=Androidのシェア)が依存している。Googleは広告から収益を上げる企業で、ユーザーが何をしているのか、どこに行くのかなどの情報を集め、これを収益に変えている。

 Sailfishの場合、トラックがやってくるのではなく、ストリーム。パートナー企業は、日々変更が加わっている最新のSailfishにアクセスできる。Sailfishで協業するということは、常に関係を持って最新機能を一緒に作るということだ。

 その1ヶ月後には、パートナーは顧客に最新のリリースを通じて新しいソフトウェアを提供できる。我々はプライバシーとセキュリティーを重視している。ユーザーのデータを収集することはないし、収益に変えることもない。

――エコシステム構築にあたり、OEMの獲得が重要です。

 現時点ではOEMとの提携を発表していないが、パートナーを獲得し、一緒に新しい端末を作りたい。

AndroidとGoogleに依存している状態は健全ではない
モバイル業界には選択肢が必要だ

――iOSとAndroid以外のOSがなかなか立ち上がりません。Sailfish OSのチャンスをどう見ていますか?

 大きなチャンスがあると信じている。80%のOEM、ODM、コンテンツプロバイダー、Eコマース、アプリ開発者が1社のモバイル戦略に依存しているのは健全ではない。持続性があるとは思えない。

 重要なこととして、(Androidメーカーは)差別化がほとんどできておらず、OEMのうち収益を上げているところは非常に少ないということだ。Android端末の収益性はとても少ない。

 実際Googleは自社のポジションを維持するために契約の条件を少しずつ厳しくしており、クローズドの方向にある。あらゆるモノポリーはいつか崩れる。Androidも例外ではない。

――Windows Phoneも一定条件で無料になりました。Ubuntu、Firefox OSなどがある中でSailfish OSを選ぶ理由は?

 Firefox OSはエントリーレベルといえる。Ubuntuはもともとモバイル企業ではない。Windows Phoneについては、古くからあるが、なかなかシェアが増えない。Lumiaの出来は評価しているが……。消費者はWindowsをポケットに入れる気がしないのかもしれない(笑)。

 我々のチームは携帯電話ビジネスをよく知っており、ずっとやってきた人間ばかりだ。Sailfish OSの強みは、ワクワク感があることだ。他のOSは食事でいうなら朝ごはん。朝食は惰性で食べており、なにを食べようかと朝からワクワクする人はいない。

 JollaとSailfish OSは違う。UIを簡素化し、ホーム画面にワンタッチでアクセスできるし、アプリケーションドロワーも1タッチアクセスだ。Androidアプリも動く。個人的には数百万のアプリがあることがそんなによいことなのか疑問だが(笑)、ユーザーはみないくつかのアプリを使っている。

 とはいえ、Mozilla(Firefox OS)、Canonical(Ubuntu)などのプレイヤーにはうまくいってほしいと思っている。モバイル業界には選択肢が必要だ。

(次ページでは、「パートナー戦略を強化中、日本企業ともすでに話し合いを進めている」)

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