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MeeGoの系譜を継ぐJollaがハード事業切り離しへ OSライセンス事業に集中

2015年07月09日 09時00分更新

文● 末岡洋子 編集● ASCII.jp

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 フィンランドのJollaは7月7日、会社分割計画を明らかにした。コアの事業と見据えるオープンソースのモバイルOS「Sailfish OS」事業を強化するため、端末事業を切り離して別会社として事業展開するという。

2013年末に発売されたJollaスマホの第1弾

 Jollaは、元NokiaでMeeGoスマートフォンの開発にあたっていたチームが中心となって2011年に立ち上げたベンチャー企業。MeeGoから派生したモバイルプラットフォーム「Sailfish OS」を開発し、2013年末に同OSをベースとしたスマートフォン「Jolla」をフィンランドで発表した。

 Jollaは現在、欧州、香港、インド、ロシアで発売されている。2014年秋にはSailfish OSをベースとしたタブレットを発表、クラウドファウンディング形式で生産する。

 これまではスマートフォン端末事業とOS開発事業を1社で行ってきたが、Jollaが長期的に中核事業としていくのはSailfish OSの開発とライセンス事業だ。Jollaは3月の「Mobile World Congress 2015」でSailfish OSの最新版となる「Sailfish OS 2.0」を発表した。2.0ではOSが成熟し、「他の端末ベンダー向けにライセンスする準備が整った」(Jollaの共同創業者兼COO、Marc Dillon氏)としてOSライセンス事業の強化戦略を明らかにしていた。

 新しいビジネス計画の下、JollaはSaifish OSの開発とライセンスにフォーカスする。端末事業を切り離すことで、OSの独立性を保ち、OEMとの協業を進めやすくする狙いだ。Jollaは現在取締役会長を務めるAntti Saarnio氏が率い、これまでJollaのCEOを務めたTomi Pienimaki氏は新たに設立するデバイス企業に移る。デバイス企業は秋に正式発足となり、トップはその際に任命する予定だ。

 5月には、ロシア政府がAndroidとiOSの独占状態に懸念を示すとともに自国のOS開発を示唆している。ロシア政府は、Sailsifh OSをプラットフォームとすると言われている(関連記事)。また5月には、アフリカでのSailfish OSエコシステムの立ち上げを明らかにしていた。

 Jollaは、7月中旬に中国・上海で開催される「Mobile World Congress Shanghai 2015」でSailfish OSライセンス事業についての最新の成果を発表するという。


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