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マイクロソフト・トゥディ 第116回

マイクロソフトとセールスフォース - 選択肢を広げる競合と協業

2014年10月23日 11時00分更新

文● 大河原克行

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両社の積極的な歩み寄り

 今回の提携強化への動きは、今年2月に、米マイクロソフトのCEOに就任したサティア・ナデラ氏(Satya Nadella)の働きかけが発端だという。

 ナデラCEOは、就任直後から「モバイルファースト、クラウドファースト」を標榜し、それに向けた様々な提携や、新たなサービスを打ち出してきた。

 米セールスフォース・ドットコム チーフオペレーティングオフィサー(COO)のジョージ・フー氏は、「マイクロソフトとは、競合する領域もあるが、もともと10年以上マイクロソフトの技術をサポートしてきた経緯がある。Outlookのコネクターはその最たる例である」と指摘。

 その上で、「大きく変わったのは、マイクロソフトが新たなCEOのもとで新たなアプローチを開始した点。パートナー中心のビジネス戦略を打ち出し、他社との連携を強化している。モバイルファースト、クラウドファーストを標榜するマイクロソフトにとって、クラウドのリーダーであるセールスフォースとの提携は避けては通れない」と語る。

 また、米セールスフォース・ドットコムの共同創業者であるパーカー・ハリス(Parker Harris)氏は、「1年前のマイクロソフトでは考えられなかったことが起こっている。素晴らしい関係が構築できた」とした。「これにより、セールスフォースのCRMが、世界で最も優れたものになる。そして、マイクロソフトをエンパワーするものになる。だが、最も得をするのは誰か。それはカスマターである。そして、Windowsのデベロッパーにもビジネスチャンスが広がる」と、2社の提携による成果を示してみせる。

 関係者によると、米マイクロソフトと米セールスフォース・ドットコムによる5月の提携発表以降、今度は米セールスフォース・ドットコム側が、米マイクロソフトに対して積極的に働きかけ始めたという。今回の提携は両社の積極的な歩み寄りによって実現したものだといえる。

 実際、Dreamforce 2014の会場では、両社による対談のほか、マイクロソフトのブースが設置され、さらに米マイクロソフトのプロフェット氏の写真が掲載された大きな看板があちこちに掲示され、両社の緊密ぶりを示すものとなった。

Dreamforce 2014の会場では、米マイクロソフトのトニー・プロフェット氏の写真が掲載された大きな看板があちこちに掲示されていた

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