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マイクロソフト・トゥディ 第116回

マイクロソフトとセールスフォース - 選択肢を広げる競合と協業

2014年10月23日 11時00分更新

文● 大河原克行

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「Wave」「Power BI」—競合と協業の絶妙なバランス

 だがこの提携は、競合と協業の絶妙なバランスの上で成り立っているのは事実だ。

 米セールスフォース・ドットコムは、今回のDreamforce 2014において、同社が提案するCustomer Success Platformを実現するための新たなクラウドサービスとして「Salesforce Analytics Cloud」を発表。そのプラットフォームとして「Wave」を発表している。

 Waveは、すべてのビジネスユーザー向けにデザインされた初のクラウドアナリティクスプラットフォームだ。誰でもあらゆるデバイスから簡単にデータを探索し、これまで見えなかった新しい知見を明らかにするとともに、アクションを起こすことが可能になるという。

 先に挙げたように、米マイクロソフトでは、これに対抗する製品としてExcelのデータを視覚的に表示するPower BIを用意している。同社にとって重要な製品のひとつという位置づけだ。

 セールスフォースのハリス氏は、「これは、選択肢を広げるものだ」とする。「マイクロソフトの顧客に、セールスフォースが提供するWaveのパワーを使ってほしい。Power BIはパワフルな製品であり、ダッシュボードの活用においても特徴的だが、すべての人たちが使えるものではない。ここにWaveを活用してもらうことになる」とする。

 マイクロソフトの顧客獲得という意味でも、Waveは戦略的役割を担うことになり、この部分では競合は避けられない。

 また、マイクロソフトでは、クラウド3兄弟の一角として、Daynimics CRM Onlineを位置づけ、今年7月から始まった2015年度において、全世界で戦略的に事業を拡大する方針を掲げている。これは、Salesforceの領域に本腰を入れて踏み込んでいく宣言でもあった。

 この提携強化は、どちらに吉と出るのか、凶と出るのか。確かなのは、ハリス氏が指摘するように、ユーザーにとっては吉と出ることだろう。


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