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「Samsung SSD 850 PRO」はSATA対応SSDの最終進化形か?

文●石井 英男

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AS SSD Benchmark 1.7.4739.38088

 今度は、SSDに特化したベンチマークソフト「AS SSD Benchmark 1.7.4739.38088」を利用して、パフォーマンスを計測してみた。

Samsung SSD 850 PROの転送速度計測結果

Samsung SSD 840 PROの転送速度計測結果

 転送速度の測定では、850 PROのシーケンシャルリードが503.69MB/秒、シーケンシャルライトが483.25MB/秒だったのに対し、840 PROのシーケンシャルリードは498.77MB/秒、シーケンシャルライトは484.19MB/秒となった。やはりスペック通り、シーケンシャルリードは850 PROのほうが高速だ。

Samsung SSD 850 PROのIOPS計測結果

Samsung SSD 840 PROのIOPS計測結果

 IOPSの測定では、850 PROの4K-64Thrdのリードが9万8118、ライトが7万8728だったのに対し、840 PROの4K-64Thrdのリードは9万7035、ライトは7万8633となり、こちらもリード、ライトともに多少上回っている。

AS SSD Benchmark ファイルコピーテスト

 AS SSD Benchmarkには、巨大な単体ファイルのコピーを想定した「ISO」、小さなファイルを多数コピーすることを想定した「Program」、さまざまな大きさのファイルが混在した場合のコピーを想定した「Game」という、3種類のファイルコピーテストが用意されている。

Samsung SSD 850 PROのファイルコピーテスト結果

Samsung SSD 840 PROのファイルコピーテスト結果

 850 PROのファイルコピー時の転送速度は、ISOが269.7MB/秒、Programが212.78MB/秒、Gameが244.22MB/秒となり、コピーにかかった時間はそれぞれ、3.98秒、6.61秒、5.65秒となった。

 それに対し、840 PROのファイルコピー時の転送速度は、ISOが264.36MB/秒、Programが207.46MB/秒、Gameが222.51MB/秒で、コピーにかかった時間はそれぞれ、4.06秒、6.78秒、6.21秒となった。

 すべてのテストで、850 PROのほうが高速だが、特にProgramとGameでの差が大きい。ProgramやGameは、実際にPCを使う際のワークロードに近く、実使用での快適さはさらに向上したといえる。

AS SSD Benchmark コンプレッションベンチマーク

 さらに、コンプレッションベンチマークを実行した。コンプレッションベンチマークは、圧縮が効かないまったくのランダムデータから同じ値が続く圧縮しやすいデータへと、連続的にデータ構成を変えて転送速度を計測するテストである。

Samsung SSD 850 PROのコンプレッションベンチマークの結果

Samsung SSD 840 PROのコンプレッションベンチマークの結果

 書き込み時にデータ圧縮を行うSSDではグラフが右肩上がりの曲線となるが、850 PROおよび840 PROは、グラフがほぼ水平になっており、データの構成にかかわらず安定した性能が得られていることがわかる。

ATTO Disk Benchmark 2.47

 最後に「ATTO Disk Benchmark 2.47」を利用して、転送速度を計測してみた。ATTO Disk Benchmark 2.47は、公称値に近い値が出やすいテストであるが、850 PROでは、転送サイズ1MBでのリードが564.467MB/秒、ライトが535.532MB/秒と公称値を上回るほどの値が出た。

Samsung SSD 850 PRO

Samsung SSD 840 PRO

 840 PROでは、転送サイズ1MBでのリードが557.948MB/秒、ライトが534.199MB/秒であり、こちらも非常に優秀だが、リードはやはり850 PROが上回っている。

シリアルATA対応SSDとしては究極の逸品

 850 PROは、性能と信頼性を重視するPC自作マニアから、高い評価を得てきた840 PROの後継製品であるが、ベンチマーク結果からわかるように、その性能は期待通りであった。

850 PROは、シリアルATA 6Gbps対応SSDとしては、ほぼ究極の製品といえる

 840 PROも最速レベルの性能を長らく誇ってきたが、850 PROは、840 PROをさらに上回る性能を実現しており、シリアルATA 6Gbps対応SSDとしては、ほぼ究極の製品といってもいいだろう。

 3D V-NANDをコンシューマー向けSSDとして初めて採用しただけでなく、耐久性や信頼性も従来製品に比べてさらに向上しており、最高の性能と信頼性がほしいという、コダワリ派をも満足させてくれる逸品といえる。

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