日本マイクロソフトが、中小企業向けのIT導入支援に力を注いでいる。
2014年4月9日までは、Windows XPからのリプレースを中心とした訴求が前面に出ていた同社の中小企業向けのアプローチだったが、ここにきて、同社が前面に打ち出して訴求しているのが、クラウドだ。
そして、その切り札としているのは「Office 365」である。
日本マイクロソフト 業務執行役員 SMB営業統括本部の中西智行統括本部長は、「クラウドの恩恵を一番受けることができるのは中小企業ではないだろうか。大手企業が、数百万円、数千万円をかけて開発したシステムと同等のものを月額数百円で利用できるのが、クラウドの魅力」と前置きし、「Office 365を導入すれば常に最新のものが利用できる。そして、慣れたOfficeの操作環境をそのまま維持しながら、新たなワークスタイルを実現できるのが特徴だ」とする。
中小企業が高い関心を寄せる
「Lync」によるウェブ会議
中小企業が高い関心を寄せているOffice 365の機能のひとつに「テレワーク」がある。
Office 365では、「Lync」によるウェブ会議を実現。これが中小企業に響いているというのだ。
日本マイクロソフト SMB営業統括本部 SMBマーケティング本部の藤嶋いづみ本部長によれば、「中小企業でも、拠点が複数にある場合には、Lyncを使って会議を行なうことで、移動時間や移動コストの削減が実現できるというメリットがあり、これに高い関心が集まっている」という。
育児休暇中などの女性社員が
自宅で働ける環境を実現
また藤嶋本部長は、「女性の労働力が注目される中で、育児休暇などを取得している女性社員が自宅にいながら仕事ができる環境を実現するという意味でもLyncを活用する中小企業が増えてきた。
PCやタブレット、ネット回線があれば新たな投資をしなくてもコミュニケーションが行なえ、資料を掲示しながらのウェブ会議ができる利便性は、中小企業ユーザーからも高い評価を得ている」と語る。
これは、現在、日本マイクロソフトが全国で展開している「Discover」セミナーにおいて、多くの参加者から得られている感触だという。
「1年前には、『クラウドで何ができるのか?』『Office 365とは一体何なのか?』という疑問を感じている雰囲気があったが、今ではそれが『経営者にとって、あるいは社員にとってメリットがあるツール』という認識が浸透している。具体的な効果を求めて来場する経営者や意思決定者が多い」と中西統括本部長は語る。

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