熊本県教育委員会が、小中高等学校における職員会議や研修の効率化を図るために、日本マイクロソフトの電子会議システム「Microsoft Lync」を採用した。熊本県内の全公立小中高等学校が対象となり、都道府県全体での採用は日本初だという。
学習の深化を図るために実施してきた、学校同士や地域を巻き込んだ交流学習をさらに進めるために、Microsoft Lync Server 2013をプライベートネットワーク上に設置。これまで、車で移動して実施してきた職員会議や教員研修などもLyncを使うことで移動時間の短縮や経費の節減も図れるという。
さらに、Lyncは遠隔授業にも活用されることになる。
2014年1月16日に、熊本県高森町の高森町立高森中学校で行なわれた「ICT利活用教育の共同研究発表会」では、高森東小学校、高森中央小学校の2校の6年生が合同で行なった社会科の「私たちの生活と政治」の授業を公開。一昨年に阿蘇市で発生した豪雨災害に関して、県庁、町役場、消防署、自衛隊などがどのように連携し、災害救助に当たったかを学習する内容で、児童自らが、町役場の職員と、消防署の職員に対してLyncを通じてインタビューを実施。児童たちが事前に調べた災害時の行政機関の対応状況をLync上で相手方にも共有してもらいながら、疑問点を直接質問した。
また、教室の電子黒板には、パワーポイント資料と電子地図ソフトを映し出し、豪雨の起こった地域やその被害状況も確認した。
実は、この授業を担当した高森東小学校と高森中央小学校の教師も、授業計画の立案や打ち合わせなどにLyncを活用したという。

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