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前田知洋の“タネも仕掛けもあるデザインハック” 第40回

ゲストから見た『いいとも!』の制作プロセス

2014年04月18日 09時00分更新

文● 前田知洋

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『増刊号』のワンソース・マルチユースの先見性

 今では当たり前になってきた「ワンソース・マルチユース」ですが、放送後にゲストが別番組用にトークを収録する手法は先進的でした。トークに限らず、テレフォンショッキングのダイジェストだったりを収録しておき、「あのシーンを『増刊号』で使っていいですか?」とディレクターがすぐに確認してくれるので出演者や関係者はラクチンです。

 ドラマと違って、バラエティ番組シーンの二次使用って面倒。チラリとでも画面に映っている出演者全員の許諾を受ける必要があるのは、『課金コンテンツの未来と過去』でも触れました。そんなマルチユースを1982年から番組制作プロセスに組み込んだ先見性は目を見張るものがあります。

 オチャラケているように見える番組かもしれませんが、スタッフは相当頭を悩ませたはず。

テレビ局でなくアルタにした利点
お祭りっぽいアナログ感

テレフォンゲスト関係者用のパス。偽造防止のため通常は公開しないのですが、放送終了したので許して下さい

 今でも印象に残っているのは、観覧希望者がスタジオまで続く階段に並んで待っていてくれている姿や、階段の壁に落書きされた芸能人への想い。テレビ画面で見ていたスタジオのセットが意外に小さかったり、テレビ局に比べて控室の昭和の香りなど(どれも2005年時)。それらが『いいとも!』の本番との『ハレとケ』がコントラストとして作用し、番組のエネルギーになっていた気がしています。テレビ局でなく新宿アルタから放送されていたことも、『いいとも!』という「お祭り」にとっては利点だったと筆者は分析しています。

 そして、観覧希望者がメールやウェブでもなく、往復はがきによる応募を続けたこと。学校などを欠席しないよう18歳未満の応募を無効としていたことなど、アナログっぽくもありながら、細やかな配慮がなされていたことも、生放送でありながらロングラン番組になった秘訣だったはず。

 32年間の放送に幕を閉じた『森田一義アワー笑っていいとも!』。出演者だけでなく、画面で「ウキウキWATCHING♪」していた視聴者もあわせて時代の目撃者になった瞬間でもありました。

前田知洋(まえだ ともひろ)

 東京電機大学卒。卒業論文は人工知能(エキスパートシステム)。少人数の観客に対して至近距離で演じる“クロースアップ・マジシャン”の一人者。プライムタイムの特別番組をはじめ、100以上のテレビ番組やTVCMに出演。LVMH(モエ ヘネシー・ルイヴィトン)グループ企業から、ブランド・アンバサダーに任命されたほか、歴代の総理大臣をはじめ、各国大使、財界人にマジックを披露。海外での出演も多く、英国チャールズ皇太子もメンバーである The Magic Circle Londonのゴールドスターメンバー。

 著書に『知的な距離感』(かんき出版)、『人を動かす秘密のことば』(日本実業出版社)、『芸術を創る脳』(共著、東京大学出版会)、『新入社員に贈る一冊』(共著、日本経団連出版)ほかがある。現在、ビジスパからメルマガ「なかマジ - Nakamagi 2.0 -」、「Magical Marketing - ソシアルスキル養成講座 -」を配信中。

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