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前田知洋の“タネも仕掛けもあるデザインハック” 第67回

ドローン少年事件で考えるマネタイズの寿命

2015年06月05日 09時00分更新

文● 前田知洋

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 夢の新技術*と思われていた民生機「ドローン(無人航空機)」。最近の首相官邸屋上で放射性物質が搭載されたドローンが発見された事件、15歳の少年が逮捕された騒動などを見ると、ドローンの先行きに少し暗雲というか、ネガティブなイメージがつきまとうのは避けられない状況ともいえそう。まるで、製造物責任法がなかった時代の「ローラースルーGOGO」に対する不安や社会的な圧力にも似たものがあります。
*もともとは20年前から本格実用された軍事兵器だったドローン。なので、詳しい人にとってのイメージは、ネガティブ→ポジティブ→ややネガティブ(今ココ)なのが実情かも)

アフガニスタン、イラクでの作戦で配備された、米国のドローン「RQ-1 プレデター」

マネタイズの寿命

 「金属から貨幣を鋳造する」という意味だった、マネタイズという言葉。最近では、ネットや新規事業などでの収益化に使われることが多くなっています。

 ドローン+動画配信の化学反応にも似たマネタイズが、今回の事件を生んだ根本にあると筆者は思っています。コンテンツの過激化…、週刊誌やテレビ番組にしても、刺激的な方向に進んでしまえば、民事訴訟、刑事事件に行くよりも前に、ネットなどでバッシングされ、自己防衛というか、自主規制が行われるのが最近の主流です。

 しかし、今回のドローン少年の場合は、企業体とは違い、その自己防衛、自主規制が働かなかったことから、歯止めが効かなかった状態。ドローン業界やユーザーも含め、規制の先行きを心配しているのが現状です。「よーし、これからマネタイズを頑張るぞー!」と思った矢先の出来事だったと筆者は勝手に想像しています。

 筆者は「なかマジ」というマジックの動画配信を2013年からやっています。気をつかうのは、ユーザーの満足度を高めながら、他人の知財を侵害しないことです。コンテンツに長生きをしてもらうために、動画の内容は過激ではありませんが、ユーザーは、多少過激なことが出来るようになります。(笑)


 

(次ページ、「メジャーはリスクを回避して、マイナーはリスクを好む法則」に続く)

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