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前田知洋の“タネも仕掛けもあるデザインハック”第66回

スター・ウォーズ コンテンツの成功の7つのポイント

2015年05月22日 09時00分更新

文● 前田知洋

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 6月28日まで六本木ヒルズで開催される「スター・ウォーズ展」。もう来場した読者も、多いかと存じます。「スター・ウォーズ」という巨大なコンテンツは、1977年に「新たなる希望」を公開して以来、本編、ゲーム、キャラクターグッズ、Tシャツ、絵本などで、330億ドル(4兆円)*を稼ぎ出しました。
(*2012年、ルーカスフィルムがウォルト・ディズニーカンパニーに売却されるまでの推定総売上金額)

 今年の12月には最新作『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(エピソード7)が公開されることもあり、さらなる盛り上がりを見せています。その「スター・ウォーズ」、巨大コンテンツの成功の秘密を分析してみます。

7つのポイント

 ここでは、単に映画論ではなく、コンテンツ論として7つのポイントに注目しました。前半の4つが手法論、後半の3つが根本論です。手法論はすぐにでも実践でき、根本論は時間はかかりますがコンテンツに厚みをもたせ、長寿命化、ライバルに真似されにくいのが特徴です。

コンテンツ成功のポイント(手法論)

その1 繰り返される親近感

 スター・ウォーズといえば、誰もが思い浮かぶのはあのテーマソング。SF作品の冷たく、荒唐無稽な映像だからこそ、監督のジョージ・ルーカスは、クラシック音楽を選択しました。作曲を担当したジョン・ウィリアムズは「ジョーズ」や「インディ・ジョーンズ」「ハリー・ポッター」シリーズなどを手がけるベテラン作曲家。上の作品のタイトルを見るだけで、テーマソングが頭に浮かぶ映画ファンも多いかもしれません。誰もが親しみをもつ管弦楽を採用することで初めて聞く人にも親近感をもたせ、それをシリーズ化して繰り返すことで親近感を増強させます。

シリーズを通じて登場するロボットも親近感を増強する(“Museum of Man”(サンディエゴ)に陳列されるC-3PO)

その2 コンテンツのマルチユース

 ルーカスは映画を完成させるだけでなく、その世界観をコミック本、おもちゃ、キャラクターグッズ、絵本、アニメ化を当初から構想していました。その計画は、ご存知の通り長い期間、大成功。一方、当時の映画界や玩具企業は「映画関連グッズ」の市場を小さく見積もっていました。さらに、2009年にはスター・ウォーズ・コンサートを世界ツアーで成功させています。

Photo/Statikuz (CC BY-SA 3.0) テーマパークへのライセンシングも現代では大きな市場

その3 ひとりでやらない ただし、チームは誰でも良いわけじゃない

 ルーカスが天才だったとしても、彼は各ジャンルの一流スタッフでチームを作りました。上で紹介した作曲家のウィリアムズをはじめ、広報兼キャラクター商品担当のチャールズ・リピンコットなど。友達だから発注したわけじゃありません。

 なかでも、当時ボーイング社のデザイナーだったラルフ・マッカリーにコンセプトシーンの描画を2~3000ドルで依頼。映画のアイコンとなる砂漠を歩く2体のロボット(R2D2とC-3PO)や、ライトサーベルを振りかざすダースベーダーのイメージを生み出しました。そのアートボードは、に映画会社との交渉にも使われ、当初の3倍(800万ドル、約10億円)の予算を獲得することになります(最終制作費は1100万ドル)。


 

(次ページ、「その4 フィードバック・ネットワーク」に続く)

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