先日、バッテリー残量の減り具合から位置情報を割り出すAndroid用アプリ「パワースパイ」の存在が公表されました。いままでも、GPS機能などを使い、誰かの位置情報をトラッキングするアプリはいろいろと存在していました。しかし、今回の「パワースパイ」は、スマフォのバッテリーの微妙な減り具合によって基地局との距離を判断しているところがミソ。「GPSがオフだから…」なんて、ユーザーが安心していても、位置情報などをダダ漏れさせてしまうそう。
セキュリティは、全く無防備なのも心配ですが、どこまで過度に反応しすぎるか…、そのさじ加減がむずかしい。そこで、今回は、今どきのサイバーセキュリティとの付き合い方について考えてみます。
スマートTVは黙って観る
先日、観ている人の会話をスマートTVが傍受して音声認識を通じてサーバーに送信していることがCNNに報道されて話題になりました。後にメーカーは、「送信されるのは、テレビ操作のコマンドだけ」と釈明をしましたが、企業ブランドの大きなイメージダウンになったのは確かです。しかし、専門家によると「テレビの前での会話が送信されないだけで、テレビ本体には会話は記録はされている」と推測しています。
メーカーにしてもテレビ局にしても(ハッカーも)、「ユーザーが番組などのコンテンツを見ながら、どんな会話をしているか」はやっぱり知りたいところでしょう。しかし、ユーザーにしてみれば、家に盗聴器が仕掛けられているみたいな話。最近のIT機器は、ブラックボックスみたいになってますから、残念ながら対策は「テレビを観るときは、黙って観る!」になりそうです(笑)
他人のUSBメモリを挿す、自分のUSBメモリを誰かのPCに挿すリスク
よくあるのは、プレゼン資料をUSBメモリに入れて講演して、自宅やオフィスに戻って自分のPCに挿したら感染というパターン(もしくは、アンチウィルスソフトによる警告)。
また、自分のPCがウィルス対策バッチリだとしても、所持しているUSBメモリにウィルスが感染したことを知らずに、プレゼンから戻って誰かのPCに挿してしまえば、そのPCにウィルスを感染させてしまいます。無意識のうちに、そんな『ウィルス・キャリアー』になってしまうと、自分の信用も失うことにもなりかねません。
セキュリティ機能付USBメモリを使う
意識の高いユーザーには知られていますが、その対策はセキュリティ機能付USBメモリを使うこと。MacとWindows兼用もあり、通常はウィルス更新プログラムのライセンス契約とセットになっています。ただし、メーカーによっては、パスワードでデータを守るだけのタイプを「セキュリティ機能付」と呼んでいる場合もあるので注意が必要です。ウィルスチェック機能のついたタイプはMcAfeeやTrend Microなど、アンチウィルスソフトメーカーのロゴが入っています。値段は少し高めですが、信用や安心を買うと考えれば、出す価値はありそうです。
(次ページ、「流失してからは遅い プライベートなPCには、カメラカバーを」に続く)
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