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前田知洋の“タネも仕掛けもあるデザインハック” 第62回

Apple Watchの未来について妄想してみた

2015年03月27日 09時00分更新

文● 前田知洋

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メディアの評判が悪いと売れるApple製品の法則

 発売前から「売れない」「期待はずれ」なんて評価もあるApple Watch。たしか、iMacやiPhone、iPadが発表されたときもメディアは似た反応だった気が…。iPhoneが日本で発売されるときは「絵文字が使えないからiPhoneは売れない」なんて、真面目に書かれていた記事が懐かしいです。そんなことから「メディアの評判が悪いと売れる法則」が毎回囁かれますが、今回のApple Watchでは果たしてどうなるのでしょう?少し真面目に妄想してみます(笑)。

プロセッサーアップグレードはAppleの戦略次第

 一部報道では、Appleの関係者から「バッテリーは交換可能」という言質をとったという記事もあります。「時計」というプロダクトで考えれば、「交換」はできて当たり前なはず。特に消費者保護が強固な米国で「時計売るけど、バッテリーが死んでも知らない」なんて製品は、まず裁判所が許さないわけです。「2~3年でバッテリーが劣化するはず」は、ユーザーが心配しすぎかと。

 じゃあ、プロセッサーのアップグレードはできるのかという疑問。現状では、Appleは「アップグレードも可能」という選択肢を持ちながら戦略を行っているはず。その証拠にプロセッサーや基盤を一体化させ樹脂で固めた「S1」の存在があります。さらに、公式動画に登場するケースのシンプルな内側を見てもその可能性と選択肢はあきらか。

モジュール化されたApple Watchのアーキテクチャー

 じつはAppleは過去にも「ボードのアップグレード(CPUのアップグレード)」サービスを実施していたことがあり、製品の長寿命化を戦略としていたことがあります。そうしたサービスが廃れた理由、やめた理由としては、新製品の低価格化があります。つまり「新機種を買ったほうが安い」という現在の流れを生み出しました。

 ですから、Apple Watch EDITION(18金モデル)のユーザーが、次世代のSPORT(アルミニウムモデル)と同じ性能で満足するのであれば、プラス数万円(と工賃)でプロセッサーアップグレードも実現の余地がApple/ユーザーの双方にあるともいえるはず。ただし、これはアップグレードを筆者が保証するものではなく、Appleが「できるけど、やらない。戦略としてね」という可能性も当然ありです。

より薄くなる可能性

 iPadが薄くなり、iPhoneがさらに薄くなっている現状をみれば、おそらく、Apple Wachが薄くなるのは当然の流れ。上のバッテリーとプロセッサーのアップグレードの話にも通じますが、薄くなったApple Watch2や3が出る頃には、旧ボディでより長時間、低価格モデルの登場もありえます。例えるなら、iPhone6が発表したときに、iPhone5S/5Cも同時販売されていたことに似ています。どちらかというと、Appleの定番のマーケティングです。そのあたりも睨んでのEDITIONの強気の価格設定だと筆者は妄想しています。


 

(次ページ、「防水じゃないからダメは、じつはチャンス」に続く)

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