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サブノートパソコンなみの余裕を持った入力環境が魅力

8インチタブレットはUMPCだ! 「DELL Venue 8 Pro」レビュー

2014年02月25日 11時00分更新

文● 行正和義

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Windows8.1搭載でSIMロックフリー対応「DELL Venue 8 Pro」

 数社から相次いで発売された8インチ液晶搭載Windows8.1タブレットは手軽なサイズと価格が魅力だが、そのなかでもお買い得感が高いのがDELLの「DELL Venue 8 Pro」。1万円を切るモデルも続々登場するAndroid機とまではいかないものの、Officeバンドルで4万円を切る価格はホームユースからビジネスユースまで手頃な1台として利用できるはずだ。

 Venue 8 Proのデメリットは、GPSやHDMI端子などが省略されているので利用範囲はやや限られる点か。一方、最上位モデルはSIMフリーで3G通信可能なのが、大きなメリットだ。軽く使ってみて、アプリの切り替えやウェブブラウズといった各種操作の軽快さ、画面サイズと解像度のバランスはこの程度が手頃だろうということは前回も触れたが、実際にどれくらいの使い勝手なのか見てみよう。

スイッチ類は右上側にまとめられており、側面に電源と音量、上面はHOME画面の呼び出し

 まず気になるのは、そのサイズ。Android機が数多く市場に出たおかげで、7インチのミニタブレットはお馴染みになりつつある。ところが、本機のような8インチモデルとなると、それよりも若干大きい。たとえば、7インチのAndroidタブレット「Nexus 7」の横幅が114mmなのに対し、「DELL Venue 8 Pro」は130mmある。片手でがっしりとつかむのには、やや大きめといったところ。もっとも、横幅134.7mmのiPad miniを立ったまま片手でネット閲覧なり電子書籍を読むといった使い方をしている人を見かけるように、特に男性であれば片手に大きすぎるほどではない。

横幅や厚みなど持ったときの印象は微妙にKindle Paper Whiteにカバーを付けたものに近い

 本体重量は、395g。iPad miniの331~341g、Nexus 7の299g(LTEモデル)、 Kindle Fire HDX(7インチ)の303gに比べると、やはり手に取ったときに重く感じてしまう。電車に乗っているときなど長時間立ったまま使うWeb端末/電子書籍として使うのであれば、横幅よりもむしろ重さを気にしておきたい。

ジーンズの尻ポケットにもなんとか入るが、もちろんこれで腰を下ろすのは危険すぎる

 実際に持ち歩くようなシーンを想定し、カバンやポケットに入れてみた。もちろんこのクラスでは普通はカバンなどに収納し、日頃からポケットに入れるということは少ないとは思うが、短い時間でもポケットに入れて両手を空けることもあるはず。

 上着類のポケットには余裕で入るところなのだが、夏場の薄着になったときなどズボンのポケットに突っ込めるか。実際に試してみたが、7インチ機ではズボンのポケットにも入ってしまうが、8インチだとかなりぎりぎり。素の状態ならば入るのだが、本機にもオプションで用意されている液晶カバー付き保護ケースを付けた状態だとやや苦しい。

スーツのポケットにも一応入るため、通勤時に電車から降りるときとか両手を空けたいときもとっさにポケットに突っ込める

8インチタブレットは、横持ちがお勧め

 縦位置にして片手で持って使うスタイルでは若干大きめで重い印象があるが、横位置で両手持ちするスタイルならばかなりしっくりくる。両手持ちでサイズや重さがさほど気にならなくなることに加え、横1280ドットあればブラウザで各種サイトを表示させても大抵事足りるためだ。

 一方、ソフトウェアキーボードを表示させて文字入力するときも画面が横長になるため、キーピッチ約14mmとなる。キーが大きくなれば使いやすくなる気がするが、両手で持って親指打ちをするには少々厳しかった。横持ちでソフトウェアキーボードを使うのなら、机の上に置いての入力だろうか。7インチ機では横置きでも両手で持ったまま親指打ちができた点を考えると、7インチタブレットと8インチタブレットの使い勝手は思いのほか違う。

横位置でのソフトウェアキーのピッチは14cmとなり、10インチタブレットほどではないが十分なサイズ

 文字入力といえば外付けキーボード。純正オプション品でもワイヤレスキーボードが予定されているが、今回は用意できなかったのでUSB接続(microUSB-USB変換)のキーボードを試してみた。使い勝手は一時期のウルトラモバイルノートパソコン(UMPC)のような印象で、ノートPC的な使い方もできそうだ。純正ワイヤレスキーボードの仕様は一部不明なのだが、キーピッチ的には16mm程度は余裕であるよう。ウルトラモバイルどころかサブノートパソコンなみの余裕を持った入力環境が得られそうだ。

microUSBアダプタ経由でデスクトップパソコン用キーボードを接続してみた

 タブレットはWindows 8もAndroidも、各種サイズごとに微妙に使い勝手や異なっているわけだが、この8インチタブレットはUMPC的に使えるシロモノ。もちろんUMPCといってもいくつかクラスがあるのだが、7インチタブレットが富士通「LOOX U」ならば8インチ系はソニー「VAIO P」あたりの使い勝手を思い浮かべるとそれに近いはず。

 AndroidタブレットとWindowタブレットでは目的とするところは違うだろうが、旧来からのUMPCユーザーならば、ポケットにぎりぎり入る/余裕持ってタイプできるノートとして使えるというマシンはかなり魅力的に感じるはずだ。

DELLの製品ページから:純正オプションのキーボードはカバー一体型ではないが、本体とほぼ同サイズで携帯しやすい



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