趣味性の高い外観に最新機能を凝縮
「FUJIFILM X-E2」
撮影サンプル
富士フイルムの「FUJIFILM X-E2」は11月に発売になったばかり。実売価格は標準ズームの付属するレンズキットで約13万円前後だ。
同社のミラーレス一眼シリーズにはいくつかの機種があり、発売時期の違いで機能に若干の差があるが、今回の「X-E2」にほぼすべての要素が組み込まれた集大成的な構成になっている。
見た目は従来機の「X-E1」とほぼ同じで、後継機と表現していいだろう。光学式と電子式を切り替えられる「ハイブリッドマルチビューファインダー」は採用されていないが、撮像素子は約1630万画素、APS-Cサイズの「X-Trans CMOS IIセンサー」を採用。センサー上に位相差検出画素が配置されており、コントラスト検出方式と位相差検出方式とのハイブリッドAF機能を備えている。
AFの合致速度はかなり速く、レスポンスがいい。撮影していてAFが迷うことも少ないのでストレスを感じないで撮影が行なえるのは使って嬉しい。
ダイヤルを中心にした操作系はクラシカルなイメージながらも使い勝手がよく、ただシャッターを押すだけでなく、写真を撮る一連の動作も楽しめるようになっている。
ミラーレス型の楽しみ方の1つにマウントアダプターを介してさまざまなレンズを使うことがあるが、X-E2はそのあたりの対応にもしっかりしている。
マウントアダプターを介してオールドレンズや他社のレンズを使用する場合、マニュアルフォーカスになる場合が多く、ピント合わせに苦労する。いくつかのメーカーのミラーレス機には、ピントの一番合った状態(いわゆる“ピントの山”)付近にハイライト表示させるピーキング機能がついているが、X-E2に搭載されている「デジタルスプリットイメージ」は往年の一眼レフカメラに多く搭載されていたスプリットイメージをデジタルで再現している。
昔の一眼レフカメラで手動でピント合わせをしていた人には理解しやすいと思うが、被写体の直線の部分を画面中央に配置されたスプリットイメージに合わせると、ピントが外れている場合、直線がずれて表示され、ズレを合わせることでピントが合うような仕組みになっている。
この機能をデジタルで再現し、AFに対応していないレンズでのマニュアルフォーカスを簡単にしてくれる機能だ。ほかにも無線LANに対応しているなど、クラシカルな雰囲気ながらも最新鋭の機能を詰め込んだデジカメになっている。
マニュアル的操作感はマニア向けな印象があるが、シンプルで確実な操作ができる。シャッターダイヤルを回してシャッタースピードを選択する行為や、絞りリングを回す動作は撮る楽しみを感じることができ、雰囲気を味わいつつ古風な操作感で楽しみながら写真を撮ることのできる。
そんな見た目のイメージとはまた別に、背面液晶からアクセスできる設定画面にはかなり多くの項目があり、画質設定も細かくいじることが可能だ。見た目や操作感は趣味性が高く感じるが、中身は最新の機能を詰め込んだデジカメで雰囲気を求める人にも画質を追求する人にもお薦めできる。
定評のあるXシリーズをさらにブラッシュアップし、実用性を重視した完成度の高いカメラだ。
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