このページの本文へ

ニコン DfにLUMIXにα7……この冬注目のデジタル一眼7機種を徹底検証! 第1回

α7Rなど7機種結集!話題のデジタル一眼を一気にレビュー!

2013年12月02日 12時00分更新

文● 周防克弥

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

趣味性の高い外観に最新機能を凝縮
「FUJIFILM X-E2」

「FUJIFILM X-E2」の外観は無骨な昔ながらのカメラのイメージそのもの

「FUJIFILM X-E2」の外観は無骨な昔ながらのカメラのイメージそのもの

撮影サンプル

プログラムオートで撮影。絞り開放付近。状況によっては絞りが開いてるとピントの外れた部分に柔らかくフレアが出やすいが、少し絞れば改善される。むしろ、この柔らかさを生かした撮影がしたくなる

プログラムオートで撮影。絞り開放付近。状況によっては絞りが開いてるとピントの外れた部分に柔らかくフレアが出やすいが、少し絞れば改善される。むしろ、この柔らかさを生かした撮影がしたくなる

こちらもプログラムオートで撮影。少しだけ絞られているがシャープに写っている。ちょっとエッジの立つボケ方をするので、光源があったり、コントラスの高い状況では目立つ

こちらもプログラムオートで撮影。少しだけ絞られているがシャープに写っている。ちょっとエッジの立つボケ方をするので、光源があったり、コントラスの高い状況では目立つ

遠景もかなりシャープで高精細に写る

遠景もかなりシャープで高精細に写る

 富士フイルムの「FUJIFILM X-E2」は11月に発売になったばかり。実売価格は標準ズームの付属するレンズキットで約13万円前後だ。

 同社のミラーレス一眼シリーズにはいくつかの機種があり、発売時期の違いで機能に若干の差があるが、今回の「X-E2」にほぼすべての要素が組み込まれた集大成的な構成になっている。

背面から見れば普通のデジカメそのもの。顔を近づけるとEVFと液晶モニターの表示が自動的に切り替わる

背面から見れば普通のデジカメそのもの。顔を近づけるとEVFと液晶モニターの表示が自動的に切り替わる

上面はシャッターダイヤルと露出補正ダイヤル、レリーズとシンプル。モード切り替えはシャッターダイヤルに刻まれた「A」マークとレンズ側の「A」マークの組み合わせでマニュアル、絞り優先オート、シャッタースピード優先オート、プログラムオートが切り替わる

上面はシャッターダイヤルと露出補正ダイヤル、レリーズとシンプル。モード切り替えはシャッターダイヤルに刻まれた「A」マークとレンズ側の「A」マークの組み合わせでマニュアル、絞り優先オート、シャッタースピード優先オート、プログラムオートが切り替わる

フォーカスの切り替えは正面右下のレバーで行なう

フォーカスの切り替えは正面右下のレバーで行なう

レンズキットに含まれる「18-55mmF2.8-4 R LM OIS」。絞りの目盛はないが一番カメラに近いリングは絞りの操作リング。手ブレ補正スイッチの上に絞りの動作を「A」マークのオートか絞りの形のマークで手動で操作するかを選ぶ。同社のほかの交換レンズでは絞りの目盛があり、目盛上に「A」マークが用意されているレンズもある

レンズキットに含まれる「18-55mmF2.8-4 R LM OIS」。絞りの目盛はないが一番カメラに近いリングは絞りの操作リング。手ブレ補正スイッチの上に絞りの動作を「A」マークのオートか絞りの形のマークで手動で操作するかを選ぶ。同社のほかの交換レンズでは絞りの目盛があり、目盛上に「A」マークが用意されているレンズもある

メディアと電池は底面から交換

メディアと電池は底面から交換

目立たないがストロボが内蔵されている

目立たないがストロボが内蔵されている

シャッターダイヤルと露出補正ダイヤルは適度なクリック感があり、ロック機能はないが誤動作はしにくい。シャッターボタンには好みで機能を割り当て可能なファンクションボタンがある。ファンクションボタンは背面左下にも用意されている

シャッターダイヤルと露出補正ダイヤルは適度なクリック感があり、ロック機能はないが誤動作はしにくい。シャッターボタンには好みで機能を割り当て可能なファンクションボタンがある。ファンクションボタンは背面左下にも用意されている

 見た目は従来機の「X-E1」とほぼ同じで、後継機と表現していいだろう。光学式と電子式を切り替えられる「ハイブリッドマルチビューファインダー」は採用されていないが、撮像素子は約1630万画素、APS-Cサイズの「X-Trans CMOS IIセンサー」を採用。センサー上に位相差検出画素が配置されており、コントラスト検出方式と位相差検出方式とのハイブリッドAF機能を備えている。

 AFの合致速度はかなり速く、レスポンスがいい。撮影していてAFが迷うことも少ないのでストレスを感じないで撮影が行なえるのは使って嬉しい。

 ダイヤルを中心にした操作系はクラシカルなイメージながらも使い勝手がよく、ただシャッターを押すだけでなく、写真を撮る一連の動作も楽しめるようになっている。

 ミラーレス型の楽しみ方の1つにマウントアダプターを介してさまざまなレンズを使うことがあるが、X-E2はそのあたりの対応にもしっかりしている。

 マウントアダプターを介してオールドレンズや他社のレンズを使用する場合、マニュアルフォーカスになる場合が多く、ピント合わせに苦労する。いくつかのメーカーのミラーレス機には、ピントの一番合った状態(いわゆる“ピントの山”)付近にハイライト表示させるピーキング機能がついているが、X-E2に搭載されている「デジタルスプリットイメージ」は往年の一眼レフカメラに多く搭載されていたスプリットイメージをデジタルで再現している。

 昔の一眼レフカメラで手動でピント合わせをしていた人には理解しやすいと思うが、被写体の直線の部分を画面中央に配置されたスプリットイメージに合わせると、ピントが外れている場合、直線がずれて表示され、ズレを合わせることでピントが合うような仕組みになっている。

 この機能をデジタルで再現し、AFに対応していないレンズでのマニュアルフォーカスを簡単にしてくれる機能だ。ほかにも無線LANに対応しているなど、クラシカルな雰囲気ながらも最新鋭の機能を詰め込んだデジカメになっている。

フィルムメーカーらしい銀塩フィルムの発色をシミュレートできる「フィルムシミュレーション」機能。ポジフィルムの「プロビア」「ベルビア」「アスティア」、コントラストの高いネガフィルム、低いネガフィルム、モノクロ、黄色フィルターを装着したモノクロ、赤フィルターを装着したモノクロ、緑フィルターを装着したモノクロ、セピアが選択可能だ

フィルムメーカーらしい銀塩フィルムの発色をシミュレートできる「フィルムシミュレーション」機能。ポジフィルムの「プロビア」「ベルビア」「アスティア」、コントラストの高いネガフィルム、低いネガフィルム、モノクロ、黄色フィルターを装着したモノクロ、赤フィルターを装着したモノクロ、緑フィルターを装着したモノクロ、セピアが選択可能だ

フィルムシミュレーション機能をブラケットに割り当てることで、任意に3つ選んで自動的に記録させることができる

 マニュアル的操作感はマニア向けな印象があるが、シンプルで確実な操作ができる。シャッターダイヤルを回してシャッタースピードを選択する行為や、絞りリングを回す動作は撮る楽しみを感じることができ、雰囲気を味わいつつ古風な操作感で楽しみながら写真を撮ることのできる。

 そんな見た目のイメージとはまた別に、背面液晶からアクセスできる設定画面にはかなり多くの項目があり、画質設定も細かくいじることが可能だ。見た目や操作感は趣味性が高く感じるが、中身は最新の機能を詰め込んだデジカメで雰囲気を求める人にも画質を追求する人にもお薦めできる。

 定評のあるXシリーズをさらにブラッシュアップし、実用性を重視した完成度の高いカメラだ。

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン