富士フイルムから同社デジタルカメラ「X」シリーズの新機種が発表された。レンズ交換式(ミラーレス一眼)が2製品、レンズ非交換(コンパクトデジタルカメラ)が1製品となる。
撮像面位相差AFを採用した「X-E2」
11月9日発売の「X-E2」(ボディーのみの予想実売価格は11万円前後)は、最上位機種の「X-Pro1」に次ぐハイエンドモデル。
新型の「X-Trans CMOS II」センサー(1630万画素)は位相差AF用画素を内包しており、APS-Cサイズ以上のセンサーを搭載したデジタルカメラとしては世界最速となる0.08秒の高速AFを実現。従来機と比較して最大75%速度が向上しているという。なお、センサーはローパスフィルターレスとなる。
画像処理エンジンも新型の「EXRプロセッサーII」を採用。0.5秒の起動、シャッタータイムラグ0.05秒、撮影間隔0.5秒という高速レスポンスを可能としたほか、レンズごとの光学特性情報をもとに画像を補正する「点像復元処理」機能を新たに搭載。解像感が向上している。
また、マニュアルフォーカスの機能を強化しているのも特徴。フォーカスピーキング機能や左右にずれた像を一致させることでピントを合わせる「デジタルスプリットイメージ」といった機能を新たに搭載した。
感度設定は通常ISO 200~6400で、拡張設定によりISO 100およびISO 12800、25600までの撮影が可能だ。
本機は液晶モニター以外に電子ビューファインダーを装備。236万画素の有機ELパネルを採用し、視野角100%となっている。
本製品は本体のみのほか、「XF18-55mm」が付属するレンズキットが同時に発売される(予想実売価格15万円前後)。
6万円で買えるXシリーズ入門機「X-A1」
エントリーモデルとなる「X-A1」はボディーのみで予想実売価格6万円前後というコストパフォマンスが特徴。11月23日発売予定となる。
330gの軽量ボディーに上下チルト式の3型(92万画素)液晶ディスプレーを搭載。撮像素子はX-Trans CMOSではなく、通常のベイヤー配列のAPS-Cセンサー(1630万画素)となるが、画像処理エンジンはX-E2と同じEXRプロセッサーII」を採用。0.5秒の起動、シャッタータイムラグ0.05秒といった高速パフォーマンスを踏襲する。
感度設定はXE-2と同様。通常ISO 200~6400で、拡張設定によりISO 100およびISO 12800、25600までの撮影が可能となる。
本製品は本体のみのほか、「XC16-50mm」が付属するレンズキット(予想実売価格7万円前後)と、上記以外に「XC50-230mm」が付属するWレンズキット(予想実売価格8万5000円前後)が同時に発売される。なお、XC50-230mmは新レンズで、単体では12月に予想実売価格4万5000円で販売される予定だ。
X-E2の新型センサーを搭載するコンデジ「XQ1」
非レンズ交換式の「XQ1」(予想実売価格4万5000円前後)は、2/3インチのX-Trans CMOS IIセンサー(1200万画素、ローパスフィルターレス)を採用。X-E2同様に撮像面位相差AFが利用でき、世界最速となる0.06秒のAF速度を実現している。
画像処理エンジンもEXRプロセッサーIIを採用。0.99秒の起動、シャッタータイムラグ0.015秒、撮影間隔0.3秒というレスポンスを実現しているほか、点像復元処理機能も搭載する。
レンズは光学4倍ズーム(35mm判換算で25-100mm)を採用し、広角側ではF1.8の明るさとなっている(望遠側はF4.9)。
レンズ周囲には13種類の機能を割り当てられるコントロールリングを搭載。絞りやシャッタースピードなどをダイヤルを回すことで設定できる。感度設定はISO 100~12800となる。
なお、全機種とも無線LANを内蔵し、スマートフォンやタブレットからの写真の閲覧や受信が可能となっている。
