2.5インチSSD×2と比較
圧縮率の影響が大きく、テストデータが「ランダム」だと現行SSDにも劣るOCZ「RVD3-FHPX4-120G」とは別に、A-DATAの2.5インチSSD「ASP900S3-128GM-C-7MM」(128GB)を2台用意。「Intel Z87 Express」チップセットのRAID機能を使ってRAID0(ストライプサイズ64KB)を構築。ASUS「RAIDR EXPRESS PX2-240GB」とOS起動時間やゲームロード時間を比べてみよう。
CrystalDiskMark 3.0.2(R.O.G.テーマ)
A-DATAでのRAID0構築時は、単体時からシーケンシャルリードが約2倍。ランダムリードやシーケンシャル/ランダムライトは1.5倍近く転送速度が向上している。
シーケンシャル/ランダムリードや「4K QD32」のリードはASUSを上回るが、ライト性能は全体的に300MB/秒前後と「RAIDR EXPRESS PX2-240GB」が高速になっている。
この速度差が、OS起動時間とゲームのロード時間にどのくらい影響するか実測してみよう。
起動時間の差は大きくないが、「RAIDR EXPRESS PX2-240GB」は、電源オン時から17.9秒で「Windows 8」のスタート画面が表示された。搭載するビデオカードなどもUEFIに対応している必要が出てくるが、「CSM(Compatibility Software Module)」を無効にしたり、UEFIのPOST時間を短くしたりとUEFIをカスタマイズすることで、10秒台前半の起動時間も実現できそうだ。
「Battlefield3」のロード時間は、ともに36秒台と差は出なかった。ただ、A-DATAのRAID0時は、ゲーミング中のマップ読み込み時などに若干だが、カクツキを感じることもあった。ASUSと違って、ベンチマーク結果が100MB/秒近く上下するなど、安定性がいまひとつだったのが要因かもしれない。ちなみに、1回だけだがRAIDアレイが壊れたこともあった……。
使用中にRAIDアレイが壊れたり、思ったほど速度がアップしないといった、RAID構築に使用するデバイスとの相性はRAID構築時につきものだが、ASUS「RAIDR EXPRESS PX2-240GB」はSSD単体と同じ安定度を実現しているのはグッドだ。
最後に消費電力とNANDフラッシュメモリーとSSDコントローラーの温度を計測してみた。
製造プロセス19nmのNANDフラッシュメモリーを採用するASUSはリード/ライト時で最大58Wと、A-DATA製2.5インチSSD×2台によるRAID0よりも10W低くなっている。
また、NANDフラッシュメモリーの温度もわずかだがダウン。コントローラーはASUSがヒートシンク部で44.4度と、A-DATAよりも3度ほど高くなっているが、2基のSSDコントローラーとRAIDコントローラーで、この温度なのはしっかりと冷却されている証といえるだろう。
次は「RAIDR EXPRESS PX2-240GB」に付属するASUSこだわりのユーティリティー群をチェックしてみよう。

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