通常のズームレンズに比べればどれも高画質!
ズームレンズの解像感に比べると単焦点レンズの性能の高さに改めて驚く。ズームレンズではおおむね、絞り開放からシャープだが、少しでも絞ると描写が甘くなっていき、ピントを少しでも深くしようと思うとシャープネスの低下した写真しか撮れない。
だが、単焦点レンズでは絞ってもあまりシャープネスの低下するレンズは少ない。今回唯一のズームレンズを採用しているキヤノンのPowerShotG1 Xも、全絞りではシャープでかなり高性能なレンズになっている。
富士フイルムのX100Sのレンズはかなり特徴的で、絞り開放ではソフトフォーカス並にボケるが、シャープネスがないわけではなく、シャープな像を結びつつも周囲に淡いフレアのようなにじみが出てる。
むしろ高性能なソフトフォーカスレンズ的で、このような描写をするレンズを「味わいがある」とかとよく表現する。暗くて絞りを開放にしなければならない状況ではシャープなカリッとした写真が撮れないという欠点でもあるが、逆にポートレイトなどでは表現手段としても使える。要は使い方次第で、いい写真にもできるが、使い方が難しい面も持っている。
シャープネスや解像感で言えば、少し絞ったX100SやシグマのDP2 Merrillがやはりレンズ性能も高く、解像感もあるのでシャープな写真と撮れる。
他の機種でもあまり絞らないようにすればシャープな写真になる。特にズームレンズに比べれば十分にシャープな描写なので、存分に高画質を楽しむことができるだろう。
いずれにせよ、大きな撮像素子をうまく生かすにはやはり高性能なレンズが重要だとわかる。なお、レンズや画像処理エンジンによる全体的な描写性は、個人の好みが大きく影響する面もあるので、今回の試写が参考になればと思う。
各機種をおすすめできるユーザーは……
最後に個人的な感想になるが、お手軽さの中に高画質を求めるなら、カメラの操作性、携帯性も含めGRかCOOLPIX Aをおすすめしたい。
また、コンデジ風の簡単さと汎用性ならPowerShot G1 Xを、単純に画質だけを求めるならDP2 MerrillやX100Sを選ぶといいかもしれない。ただしDP2 Merrillは後処理と操作性にかなりクセがあるので、人によって好き嫌いが大きく別れてしまうだろう。
X100Sは操作性も写りもいいが、開放時の柔らかさな描写と本体の大きさにおいて好みが大きく別れるかもしれない。
RX1は撮像素子が大きい分、ピントが浅く、コンデジ感覚で撮影するとすぐにピンボケ写真になってしまうので注意が必要。しかし、フルサイズならではの階調の広い写真が撮りたいのであればチョイスしてもいいだろう。
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