マイクロソフト・トゥディ 第22回

「Windows 8」をめぐる、さまざまな誤解

「Windows 8では、マウスやキーボードは使えない？」

　実際、日本マイクロソフトには、いくつかの異例ともいえる問い合わせがある。たとえば、「Windows 8になったことで、マウスやキーボードは使えなくなるのか」といった問い合わせはかなり多いという。

　日本マイクロソフトでは、Windows 8の最大の特徴として、タッチ機能を前面に打ち出してきた。そのため、マウスやキーボードが使えなくなってしまうという誤解が生じているという。

　当然のことながら、Windows 8は、従来通りマウスやキーボードによる操作が可能だ。

Windows 8は、従来通りマウスやキーボードによる操作が可能。日本マイクロソフト自身もWindows 8に対応した「Microsoft Sculpt Comfort Keyboard」を発売している

「コントロールパネル」のありか

　またWindows 7までは、様々な設定を「コントロールパネル」から行なっていたが、Windows 8ではこれがなくなったと勘違いするユーザーが多い。Windows 8の場合は、「デスクトップ」を表示している状態で、チャームの「設定」から呼び出すことが可能である。

「コントロールパネル」は、「デスクトップ」を表示している状態で、チャームの「設定」から呼び出せる

「コンピュータ」も健在

　また、スタートボタンがなくなったことで「コンピュータ」の表示がないとするユーザーもいるが、デスクトップ画面下部にあるツールバー左側にそのアイコンが配置されている。Windows 8 モダンUI上で「すべてのアプリ」から表示可能なほか、チャームの「検索」で求める機能の名称などを入力すれば、表示させられる。

「コンピュータ」は、デスクトップ画面下部にあるツールバー左側にそのアイコンが配置されている

　同様に、Windows 7までに利用されていた「デスクトップ」（デスクトップモード）についても、すべての表示がタイル型のWindows 8 モダンUIに統一されたという誤解が一部にあるようだ。しかしこれも、実際にはスタート画面にある「デスクトップ」のタイルから移動できるほか、Windowsキーを使って表示することもできる。

　むしろWindows 8では、タイルによる新たなUIと、従来からのデスクトップを行き来しながら利用するケースが必然的に多くなっている。

　こうした、ユーザーインターフェースの大幅な変革は、多くの誤解を招いている。

従来のOfficeをはじめとする過去のソフト、
タッチパネル機能への誤解

　「Windows 8では、現在使用しているOfficeアプリケーションが利用できない」「Windows 8をインストールすると、PCがタッチパネル対応になる」といった誤解もそれを象徴するものだ。

　Windows 8では従来のOfficeはそのまま利用できる。また、Windows 8をインストールしても、ハードウェアとしてタッチパネルを搭載していない製品では画面タッチによる操作は行なえない。ただし、画面にタッチできなくても、タッチパッドなどの周辺機器を利用することでタッチ操作が可能になる製品もある。

　さらに、「タッチ操作ができるのはタブレットしかない」と考えているユーザーもいるようだが、デスクトップPCやノートPCの中にもタッチ機能を搭載した製品が用意されている。

写真左がソニー「VAIO Tシリーズ13」（SVT13129CJS）、右が富士通「ESPRIMO FH98/JD」。両製品とも従来のノート／デスクトップと変わらないデザインだが、タッチパネルを搭載しており、画面に触れてWindows 8を操作できる

「Windows 7で十分なので、Windows 8にする意味がない」への回答

　最後に触れておきたいのが、「Windows 7で十分なので、Windows 8にする意味がない」という声に対する回答だ。

　日本マイクロソフトでは、「Windows 8は、Windows 7に比べてOSやアプリケーションの起動時間などのパフォーマンスやバッテリー持続時間を大きく改善している。そのため、現在Windows 7が動作しているPCでも、Windows 8に入れ替えることでメリットが享受できる」とする。

　これは、性能面での強化だけでなく、OSのサポートライフサイクルの観点でも、一世代前のWindows 7に比べてより長く使えるという点が見逃せない。

　Windows 7を利用しているユーザーも、Windows 8に入れ替えた方がいいというのが日本マイクロソフトの提案だ。

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