MacPeopleにて好評連載中の「ユザーンの川越コンピューター学園」。11回目のゲストはシンガーソングライターの七尾旅人さん! そして今月も「全部出し!」でお届けします。七尾さんがなぜセーラー服姿で登場しているのか!? その謎にも注目です。

今月の転入生:七尾旅人(ななおたびと)
’79年生まれ、高知県出身。’98年のデビュー以来「911fantasia」「billion voices」などのアルバムで旋風を巻き起こす。弾き語り独演会「歌の事故」、共演者との即興対決「百人組手」という2つの自主企画を軸に、各地のフェス、イベント、Ustreamで伝説的ステージを生み続けている
「女の子は大変だな……。」
ユザーン これに出演をお願いしたとき、旅人くんから一度断られたんだよね。
旅人 学ランを着なきゃいけない、ってことを聞いて「ちょっとそれは自分にはできないな」と思ったの。学校とか制服とか、好きじゃないからさ。

ユザーン それで「じゃあセーラー服だったらどうかな」って試しに聞いてみたら、なぜかOKが出て(笑)。
旅人 それならありかな、と。
ユザーン 着心地はどうだった?
旅人 うーん、まだ慣れないね。
ユザーン まぁ今後も慣れることはないと思うよ。ていうか慣れるほど着ちゃダメだよ。
旅人 そうだね(笑)。それにしても、こんなにスカートの中を蚊に食われるものなんだね。女の子は大変だな……。これからもっと女性を大事にしないと(笑)。ところで、「川越コンピューター学園」っていうくらいだから、何かユザーンがコンピューターについて教えてくれたりするのかな?
ユザーン いや、俺べつにコンピューターに詳しくないからね。逆にマックのことをいろいろ教えてほしいくらいだよ。旅人くんはいま、MacBook Airを使ってるよね。
旅人 うん、今日も持ってきてるよ。でも最初は「Cubase」(音楽制作アプリ)を使う都合もあってずっとウィンドウズマシンだったんだ。いまでもその流れで音楽制作にはウィンドウズを使っているけど、それ以外の日常的なことは全部マックでやってる。やっぱり使いやすいよね。インターフェースも考え抜かれてて。
ユザーン 両方使ったうえで、ウィンドウズよりも使いやすいと思う?
旅人 うん。マックのほうが操作性は圧倒的に優れてるんじゃないかな。全体を統一している美意識みたいなものに矛盾がない感じがして。音楽だけウィンドウズで作っているのは、もう習慣みたいなものだね。
ユザーン 最初にCubaseで慣れちゃったから、ってこと?
旅人 今ではCubaseもマックで問題なく使えるみたいなんだけど、ウィンドウズのノートパソコンがまだ壊れてないからそのままそれを使ってる。でもさ、音楽やデザインをやってる人ってマックユーザーばっかりじゃん。
ユザーン うん。
旅人 ウィンドウズだけ使っていたころは、周りのマックユーザーが俺を見て「え? ウィンドウズ使ってるんだ。なんかダサいね」みたいな雰囲気を出してくることがあって。
ユザーン 同じようなこと、久保ミツロウも言ってたな(笑)。
旅人 そう、実際いるんだって。だから、前は逆になるべくウィンドウズを推すようにしてた。ウィンドウズの猥雑で洗練されていない感じ、電気屋で叩き売りされてる感じが、いまの世の中をよりリアルに映し出してる気がして面白いと思ってたのね。それから、親の仕事の関係で子どものころから家にマックがあってさ。それを使って絵を描いて遊んだりして普段から見慣れているものだったから、マックに対してあこがれがなかった。だから、クリエーティブ系の人がマックに傾倒してウィンドウズを下に見る感じに対して妙な気恥ずかしさがあったんだ。
ユザーン なるほど。
(次ページに続く)
