2台のZ4はロングスティントで長く引っ張る作戦に
今回は300kmのレースなので、義務づけられているピットインは1回。最初にピットに入ったのはMirai Z4だった。30周目にピットインし、タイヤを4本交換し、番場選手へバトンを渡す。ピット前は8位を走っていたが、アウトラップ後は14位に後退した。
次はミクZ4が35周目でピットへ。谷口選手へ交代するが、なんとタイヤは無交換! 谷口選手とRSファイン(ミクZ4のメンテナンスを担当している)が得意とする策で後半に勝負をかけた。それまではトップで走っていたが、ピットアウト後は4位で復帰するも、すぐにでちゃうアストンに抜かれ5位に。アストン無双再びか? と思われていたが、いつの間にかミクZ4が抜き返しただけでなく、後続のライバルたちにも抜かれている。アストンに異変が起きたらしく、そのままガレージに入ってしまい、エンジントラブルでリタイヤとなった。
一番の脅威だったアストンが脱落し、上位争いが過熱! とくに、ミクZ4、ガライヤ、BRZの3台による5位争いが数周に渡って行なわれ、ギリギリまでコース外を使ってミクZ4を抜きにかかるBRZ、使えるものはGT500だろうとなんだろうと使って巧みにブロックするミクZ4、その2台が共倒れするスキを後ろにピッタリとついて狙っているガライヤと、それぞれドライバーの個性とテクニックが光った。途中でBRZとガライヤが直接対決になっていたが、「そのまま2台でバトっててくれ!」と祈ったミクファンは少なくなかっただろう。
BRZは佐々木孝太選手、ガライヤは松浦孝亮選手と、トップクラスのドライバーたちを抑えて走った谷口選手だが、50周目にガライヤにパスされ、そのスキと突かれてさらにBRZにも抜かれてしまう。これにより順位は予選と同じ7位にまで落ちてしまった。谷口選手は「タイヤはそんなに問題なかったんだけど、ちょっと抑えきれませんでしたね」と語る。今年は絶対的なスピードが足りていないと言われていたが、直線の長い富士で顕著にその欠点が出てしまったようだ。
このあとは、1位を走るハンコックポルシェにプリウスGTが追いつきプッシュしまくるという、日本のレースでしか見られないであろう光景に。しかし、プリウスGTはコーナリング中にハンコックポルシェと接触し、スピン。ハンコックは体勢を立て直して問題なし、プリウスGTは再び3位に後退する。だが、再び速さを取り戻し、2位を走っていた無限CR-Zとガチのハイブリッド対決を制し、またもやハンコックポルシェをロックオン。走行距離の短いレースで3回スピンしてこの位置とは、おそろしい速さだ。
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