やはり価格設定が一番の問題
以上のようにGTX660は重量級ゲームにはややパワー不足の感はあるが、中量級ゲーム中心なら満足度の高い選択。特にGTX460で時間の止まっていたPCにとっては格好のパワーアップパーツになることは間違いない。かつてのGTX560/560Tiは“フルHDゲーミング”のためのGPUだったが、今回のGTX660は“フルHD&高画質ゲーミング”、あるいは“DX11ゲーミング”のためのベースラインGPUといっていいだろう。
しかし、実際にGTX660のお買い得感はというと……GTX660Tiと同様に「価格性能比」というファクターがマイナス要素となる。今回試した「N660GTX Twin Frozr III OC」の想定売価は2万4800円。リファレンス仕様のGTX660Tiが2万5000円のラインに続々集結中であることを考えると、割高感は否めない。もちろん基板設計の良さやオーバークロック版であることなど、裏付けがあった上の価格設定なのはわかる。しかし上位製品との価格差があまりにも小さく、消費電力減と補助電源1系統で済む以外のメリットが強く感じられない。リファレンス版が2万円ラインに到達するまでは、やや中途半端なGPUである印象は拭いきれない。
GTX650はどこにいった?
さて、GTX650についてはベンチですらも触れてなかったが、それには大きな理由がある。ドライバーの完成度不足だ。実はテスト用カード受領時には動作するドライバーすらなく、締切前に受け取ったドライバーはMSIによると「動作はするが、性能がフルに発揮できるとは言い切れない」というものらしく、製品を買ったユーザーは後日ダウンロードで熟成版ドライバーを落とすという流れになりそうだ。そんな状態でのテストは不毛なので、今回はGPU-Zでの情報開示だけにとどめておきたい。
GTX650はKepler世代ではあるがGPU Boost機能を持たず、SP数もGTX560Ti並に低い。その分コアのベースクロックがリファレンスで1058MHzと高めに設定されている、といったところだ。その分価格も約1万円と初値から安さを前面に押し出しているので、今後の低価格ゲームPC自作として使えるGPUになるかもしれない。
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