このページの本文へ

前へ 1 2 3 4 5 次へ

装着感も画質も大進化! ソニーの新HMDを最速レビュー

2012年09月11日 13時10分更新

文● 鳥居一豊

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

3Dゲームとの相性はやっぱり抜群!

 最後はゲーム。筆者もHMZ-T1をゲームを楽しむことを目当てにして購入したのだが、実際にはほとんどゲームをプレイすることはなかった。それは両眼の調整がどうしてもピタリと合わせることができず、画面の周辺に表示されることが多いテキストなどの情報表示が読みづらく、ほんの30分でかつて体験したことのない頭痛が起きてしまうためだ。

 理想を言えば両眼独立の位置調整とピント調整もほしいところではある(メガネやコンタクトによる視力矯正は数m先を見ることを前提としているので、数cmの距離ではメガネを使っても左右の視力差が補正できないことがある)。

 この点、HMZ-T2は両眼を独立して調整できるため、その問題はかなり改善された。少なくとも、それぞれの目の正しい位置に表示パネルを調整できるので、周辺の文字がぼやけて読みづらいということはない。

 多少は頭痛の発生を心配しながらゲームをプレイしてみたが、これがかなり良好。予想通り、一般的に720p表示が多いゲームの映像と、720pパネルのディスプレーの相性はよく、ジャギー感や輪郭の乱れがない精密な再現にまず感激する。

 薄型テレビではまず見ることができない、720pのドット・バイ・ドット表示は素晴らしい。720p映像はフルHD映像に比べて映像の甘さなどを感じると思う人も多いだろうが、映像の甘さはスケーリング(解像度変換)によるものが大きく、映像自体のシャープネスは720pでも十分に高い。

 ゲームの映像が1080p出力になると状況は変わってくるだろうが、720p表示もそれほど悪いものじゃないなと、改めてわかった。

 FPSのように自分で視点を操ってプレイするゲームは、没入感も高いし、映像のぼやけや文字が読みにくくなることもなく、かなりスムーズにプレイできた。とはいえ、1時間ほどプレイしてみると、多少眼の疲れを感じたので、視点を大きく動かし続けるゲームは目の負担が大きいようだ。

 丸1日ゲームをやるといった用途はおすすめできないが、それほどヘビーにゲームをやらないならば、かなり楽しめると思う。

 弱点と言えば、買ってきたばかりの新ゲームには向かないということだ。説明書で操作を確認しようと思っても、ヘッドマウントディスプレーを外さなければ説明書が読めないからだ。

 操作を完全に習得した後でないと、プレイに支障は出やすい。また、プレイしている姿を客観的に見たとすると、単なる映画鑑賞以上に、その姿は愉快なものになっている気がする。

買い換えしちゃいそうなのが一番怖い!!
快適性を高めた好ましい進化

 発売前のレビューということで、じっくりと時間をかけて視聴することはできなかったが、特に従来機で感じていた不満がかなり改善されていることがわかった。

 しかも、ヘッドフォン交換ができるという最大のポイントは大きな魅力と言える。旧モデルのユーザーにとってはかなり気になるモデルと言わざるを得ない。

 ねたましいというよりも、買い換えしちゃいそうで困る。従来機と同様に大人気となる可能性が極めて高いので、買い換えしちゃいそうな人も、今度こそ手に入れようという人も、予約など万全の準備をしておくといいだろう。 

■関連サイト

前へ 1 2 3 4 5 次へ

カテゴリートップへ

週刊アスキー最新号

編集部のお勧め

ASCII倶楽部

ASCII.jp Focus

MITテクノロジーレビュー

  • 角川アスキー総合研究所
  • アスキーカード
ピックアップ

デジタル用語辞典

ASCII.jp RSS2.0 配信中