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装着感も画質も大進化! ソニーの新HMDを最速レビュー

2012年09月11日 13時10分更新

文● 鳥居一豊

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映像のフォーカス感が高まり
3D感がよりはっきりとわかる!!

画質・映像メニュー。色温度に「ナチュラル」が追加されている

画質・映像メニュー。色温度に「ナチュラル」が追加されている

 ディスプレーに使われる有機ELパネルなどは従来モデルと共通で、コントラスト感が高く、色も鮮やか。ただし、レンズ特性を考慮した新型の「エンハンスフィルター」や色変換マトリクスエンジンなどをベースに、各画質モードを全面的にチューニングしたという。

 画質面の進化は4つ。1つは画質モードに「ゲーム」が加わり、ダイナミック/スタンダード/シネマ/ゲーム/カスタムの5つに増えたこと。3Dゲームで使う人もかなり多いモデルなので、これは正統な進化と言えるだろう。

 そして、色温度調整は高/中/低1/低2に加えて「ナチュラル」が加わった。これは、各画質モードに合わせてゆっくりと色温度を変えていくもの。色温度を変更すると白い部分が青くなったり黄色くなったりと、急激に変化するため違和感を感じやすかったが、徐々に変化するため違和感なく映画らしい色合いやテレビ番組らしい色合いに目がなじんでいく。

画質・映像メニューその2。「24p True Cinema」のオン/オフが選べる

画質・映像メニューその2。「24p True Cinema」のオン/オフが選べる

 映画再生では、映画のフィルムと同じく毎秒24コマで映像を表示する「24p True Cinema」に対応。2-3プルダウンなどの処理による動きの乱れをなくし、映画らしいフィルムの映像を再現できるようになった。

 さらに、「パネルドライブモード」という調整が追加された。これは、応答速度の速い有機ELの特性を生かし、液晶のように常時発光させるのではなく、コマとコマの間で一度映像を真っ暗にして脳内の映像をリセットする疑似インパルス表示を行なうもの。

 これにより、映像のぼやけ感が低減し、動きの速い映像でもくっきりとした再現ができるようになる。特にゲームなどで視点を変更したときなどでも動きがぼやけないため、より視認性が高まっている。調整では、標準/クリアが選択でき、クリアを選ぶと映像がやや暗くなるのがわかる。

調整機能の進化が大きな魅力に

もちろん、従来どおり3Dの表示にも対応する

もちろん、従来どおり3Dの表示にも対応する

 映像の実力をチェックすべく、まずは3D映画をいくつか見てみた。3D感の再現は従来どおり極めてよく出来ており、作品によって異なる3D映像の奥行き感の違いがはっきりとわかる。

 アトラクション性の高い作品では飛び出し感が明瞭で、ジェットコースター的な映像の迫力が楽しめるし、派手な飛び出しよりも肉眼視に近い自然な奥行き感を再現する映像では、映画の舞台の空間の広さや狭さがよく伝わってくる。

 ありがたいのは、左右の目に合わせて調整ができるため、映像のすべての部分でぴたりとフォーカスが合って見えること。1号機は両眼が連動していたので、画面の中央にフォーカスするように調整すると、画面の周辺がぼやけて見えることがあった。この改良点は大きな魅力だ。

 画面のすべてにぴたりとフォーカスが合うと、その見え方はかなり肉眼視に近くなり、3D映像の面白さがより高まる。原理的にクロストークがゼロということもあり、いわゆる3D映像に感じる違和感や不自然さがなくなる。

 大型の映画館の巨大なスクリーンで見たときと同じ45度の視野角による臨場感と相まって、没入感は極めて高い。ちなみに6畳間の自室で50V型のテレビと見え方を比べたところ、HMZ-T2での見え方は、同じ場所にテレビを置いたとするならば、70~80V型テレビに相当する感じ。6畳間で見ていることを意識すると、かなりの大画面だと感じる。

 次いで2D映像を見てみたが色再現が豊かなのにびっくり。高コントラストと相まって、暗部でも色が抜けず、見通しがよい映像だ。基本的にはくっきりとしたコントラスト感に優れた再現だが、ディテール再現などもきめ細かい。

 精細感に関しては、720pパネルの表示ということもあり、フルHDのテレビなどと厳密に比較すると多少細かな模様が甘くなっていることが確認できるが、実用上ほとんど差を感じることはない。

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