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古田雄介の“顔の見えるインターネット” 第1回

「責任の取れる範囲で出ていきたい」メレ子さんの距離の取り方

2012年08月17日 12時00分更新

文● 古田雄介

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短期の目標は書籍第二弾、長期の目標は『メレ山動物園』

―― バランス感覚が優れているだけに気になるのが、記事1本あたりのボリュームのバラつきです。初期の随筆的な記事はもちろん、旅行記のなかでも文量や写真点数にかなり開きがありますよね。

メレ山 そうですね。随筆的なものは、あまり長く書いてしまうと自分を抑えきれなくなるというのがあって、意図的に短くしていたんですけど、旅行記はとくに意識していないですね。ただ、長くしようとしているわけでもなく、旅行の1日分で1記事書こうと思うとあのボリュームになってしまうという感じです。1記事あたりの写真は60~70枚だったり、ときに100枚を超えたりして、そこに文章を収めていくという流れなので。


―― 量が増えても、間引きしてバランスを取るみたいなことはしないわけですね。

メレ山 はい。長く書いても短くまとめても、読者の人ってほとんど読んでくれないんですよ。でも、書いて残しておけば、いつか誰かが必要としてくれるというのがあって。私にとって何気ないことでも別の人に役立つ情報だということもありますし、間引きしてもお蔵出しする機会はやってこないだろうということろもあって、載せたい写真や情報は全部出すようにしています。

 ブログは名刺代わりだと思っていまして、最新記事がどれだとしても、それを読んで自分のことを知ってほしいという感覚があるんですよ。「これが自分だ」というものを置いておきたい。ブログはそういう場所だと思っています。


―― なるほど……。職業柄つい文字数制限がある感覚でとらえてしまうので、勉強になります。それでは、最後に今後の目標を教えてください。

Image from Amazon.co.jp
メレンゲが腐るほど旅したい メレ子の日本おでかけ日記 (P‐Vine Books)

メレ山 短期的には、また本を作りたいと思っています(第1弾「メレンゲが腐るほど旅したい メレ子の日本おでかけ日記」は、P-Vineより2009年に発売)。以前、雑誌で連載記事を書かせていただいて、ブログと紙との違いを実感したので、それを活かした本を作ってみたいなと。ブログは目線が上から下に行くだけですけど、紙だといろんなところに視線を飛ばせるので、「どこから読んでも面白い」「脚注が笑えるけど、本文は全然違うことが書いてある」みたいな本を出せたらと。

 長期的には、テレビで冠番組を持ちたいというのがあります。タイトルは『メレ山動物園』!(笑) 動物が人間に都合のいいことを一切言わない動物バラエティで、逆に「こういう人間がいやだ」みたいなことを言わせたり、人気の犬種を採り上げて「こういう理由で飼ってはいけない」というのをものすごく緻密にやって、「それでも飼う奴は本物」と締めたり(笑)。やってみたいですね。


―― (笑)。それはブログも並行してですか?

メレ山 そうですね。やっぱりブログが本拠地だと思っているので、ずっと続けたいと思っています。

ネットで失敗した人へのアドバイスとして、「失敗を気にしすぎず、謝るべきは謝り、曲げたくないところは謝らなくていいのでは。過去にも個人ブログ炎上はたくさんありますが、そこでアカウントを消さなかった人は、だいたい今もネットで元気にしてるんですよね」とメッセージを送る



古田雄介

筆者紹介──古田雄介


 元建設現場監督&元葬儀業者&現古銭マニアのフリーライター。近著は、当連載「顔の見えるインターネット」をベースにした『中の人 ネット界のトップスター26人の素顔』(アスキー・メディアワークス)。買ってね!




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