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古田雄介の“顔の見えるインターネット” 第1回

「責任の取れる範囲で出ていきたい」メレ子さんの距離の取り方

2012年08月17日 12時00分更新

文● 古田雄介

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内面を綴るより、外的な旅行記のほうが書きやすい

―― まずはブログを始めた動機を教えてください。

メレ山 根底には承認欲求があるんですが、そこでなぜブログを選んだかというと、フィードバックが早いんです。アップして1時間以内にすごい勢いで反響が戻ってきたり、内容的にもウケないと思っていたところが注目されて、「ここに食いつくのか」という発見があったり。如実に反応を見ることができるので、そのへんがすごく面白くて。


―― 東京ナイロンガールズのインタビューを読むと、最初はプライベートモードのブログだったんですよね。

メレ山 そうですね。私インターネットを始めたのは遅くて、大学3年の頃なんです。友達に『沼人村』『侍魂』のようなテキストサイトや、『デイリーポータルZ』を紹介されて、そこからいろいろなブログにも出会い、1年から1年半は読んでいるだけでした。その間に「自分がこういうことやったら読んでもらえるかな……」というのが蓄積されていって。それで、テキストサイトっぽいものを友達だけに見せてみて、わりと反応が良かったので、気を良くして始めてしまったという感じです。

メレ山メレ子氏。大分県別府市出身で、現在は東京在住。プロフィールにある通り、会社員としての生活の合間に旅行やブログ、それにともなう活動を続けている


―― 練習期間を経て、満を持して、という流れですね。すると「メレ腐」を始めた2006年6月には、ある程度読者の反響が読めるようになっていたと。

メレ山 実際は、始めてから加速度的に学んでいった感じですね。奥が深くて、いまもコントロールできるほどのところには行けていませんけど。それでも、いろいろな人が盛り立ててくださって、わりと早いうちから多くの人に読んでもらえるようになったかなと思います。


―― ちなみに、最初期は内面をつづる随筆的な文章が中心でしたが、半年経った頃から旅行記が増えていきました。プライベートモード時代は随筆的な内容が主だったと思いますが、そこから移行したのはなぜですか?

メレ山 随筆的な書き方にすると、自分がつづった言葉で感情が増幅して、妄想しちゃうところがあると気づいたんです。たとえば、何かのニュースに怒りをおぼえたとき、なんで自分が怒っているのかを言語化して、それを読んでさらに怒ってしまうみたいなところがあるんですよ。その辺、自分が抑えられなくなって危険だなと。

 それに対して旅行記は、どこかに行って、何かを体験したことを紹介していくという外的なストーリーがあります。その流れの中で、たまに日々思っていることを盛り込んだりしていくというのが、すごく書きやすいんですよね。読者からの反応も良かったので、以降も調子に乗って続けている感じです。

2006年6月26日にアップした、メレ腐最初の記事「メレンゲが腐るほど恋したい」。文学チックな文体で、当時流行っていたmixiバトンについて考察を巡らしている

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