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新OS「OS X Mountain Lion」 ― ポストPC時代に合わせ、Macの進化を加速させるアップル

2012年02月16日 22時31分更新

文● 林信行

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「iCloud」完全対応――MacとiOS機器を意識せずに行き来

 OS X Mountain Lionの10の新機能、最初の機能は「iCloud」連携の強化だ。

 iCloudは2011年10月4日にスタートしたアップルの個人用クラウドサービス。すでに1億人が利用中だ。

 OS X Lionは、リリースが2011年7月20日とiCloudよりかなり前にリリースされていたこともあり、連携機能がかなり簡易的なものになっていた。一方、iCloud後としては初のMac用OSとなるOS X Mountain Lionでは、OSの根本の部分からしっかりiCloudをサポートする。

 なんといっても、大きいのは「Documents in the cloud」と呼ばれる機能だ。

「Documents in the cloud」

 iOS機器では、Keynoteなどのアプリケーションで書類を開く際に、作業中の書類の読み込み元(あるいは保存先)としてiCloudを選択できる。新規作成した書類をiCloudに直接保存し、そこから開いて編集作業などを行なうことで、どのアップル製品を使っていても、最新の変更が反映された書類を利用できるようになる。

 例えば、iPad上のKeynoteで書類を作り、iCloudに保存したとしよう。同じ書類を、同時にiPhoneのKeynoteでも開き、画像サイズを変えるなどの変更を加える。すると、この変更が数秒後にはiPadのほうにも反映される。ユーザーはまったく意識せず、常に、その時点で、もっとも快適な機器で作業を続けられる。

 ただ、これまでこの機能が利用できたのはiOS機器だけ。なぜなら、Mac版のアプリケーションでは、iCloudに書類を直接保存することができなかったからだ。

 OS X Mountain Lionでは、これが可能になる。「開く」や「保存」のダイアログの左上に「iCloud」と「このMac」の2つのボタンが表示されるので、「iCloud」を選択する。すると、iCloud上に保存された書類の一覧がサムネイル型アイコンとして一覧表示される。

 書類が多過ぎる場合は、任意の書類アイコンを別の書類アイコンに重ねて(iOSのホーム画面と同様の操作で)フォルダーを作ってまとめることもできる。

 この「開く」、「保存」ダイアログには後述する「共有」ボタンも用意されており、選択した書類をここから直接、他の人に転送することも可能だ。

 この「Documents in the Cloud」の利用には、アプリケーション側の対応が必要だ。OSリリース時点で、どのアプリケーションが対応しているかは、現時点でまだ不明だが、おそらくKeynote、Pages、NumbersといったアップルのiWork系アプリケーションは対応していることが期待される。

 他社製品についても、アップルはすでにAPIを公開しているので、対応が早い会社の製品はOSリリースとほぼ同時に対応することだろう。

 なお、新OSとiCloudの連携は、これだけではない。すでにiCloudを使っているユーザーなら、OS X Mountain Lionのインストールを始めると、すぐにiCloudのお世話になる。

 初期設定時にApple IDを入力すると、iCloudに保存した設定を元に、Mail、メッセージ、リマインダー、書類とデータ、連絡先、FaceTime、Game Center、ブックマーク、カレンダー、ノート、Mac App Storeの設定が自動的に行なわれるのだ。

「iMessage」――1億ユーザーのメッセージング機能を標準搭載

 OS X Mountain Lion、2つ目の新機能は「メッセージ」つまりiMessage機能だ。

「メッセージ」(iMessage機能)

 iMessageは、2011年10月リリースのiOS 5で搭載され、iPhone、iPad、iPod touchで、相手のメールアドレスか電話番号さえ分かれば無料かつ無制限にメッセージを交換できる機能として人気を博している。今月初めまでに1億人が登録し、260億ものメッセージを交換しているという状態だ。

 OS X Mountain Lionでは、この超人気のメッセージ交換機能が、iChatに代わり標準のメッセージング機能として搭載される。

 ちなみに、この機能だけは、OS X Lionに対応したものが公開ベータ版として2月16日から配布予定だ。

 iMessageは、文字だけでなく、写真や動画などの交換が可能で、何人かのグループでメッセージを共有することもできる。最大100MBまでのフルHDの動画の送受信が可能だ。

 メッセージを書き込んでいる際、相手側に「・・・」と書き込み中であることを示す吹き出しが表示される。

 また送信した際、それが相手にちゃんと届くと「配信済み」と表示されるので、後から「メッセージが届いていなかった」と問題になることもない(SMSやMMSでは、たまに配信遅延で問題が生じることがある)。

 また、メッセージは暗号化された上で送受信されるので、機密情報のやりとりも安心して行なえる。

 1つのデバイスでやりとりしたメッセージは、同じIDで登録した他の(許可した)デバイスでも共有されるため、自宅でMacを使ってやりとりしていた続きを、移動中にiPhoneで行なったり、外出先でiMessageで決めた待ち合わせ場所をiPadで参照したり、といったことも可能だ。

 OS X Mountain Lion版のiMessage機能は「メッセージ」というアプリケーションで実現し、ほかの機器同様、相手のメールアドレスか電話番号さえ分かればやり取りできる。

 アプリケーションの見た目はiPad版に似ているが、ウィンドウの左上に検索用のフィールドが加わっているほか、右上にFaceTimeで呼び出すためのボタンが用意されている。

 またウィンドウ左側の会話の一覧(もっとも最近、会話をした相手またはグループから順に表示される)に顔アイコンが表示されるなど、Macの大きな画面を活かし、見やすくFaceTimeなど他の機能との連携もしやすいデザインになっている。

 なお、Mac版の「メッセージ」は、これまで搭載されていた「iChat」を置き換える機能として用意されている。またiChat同様、「メッセージ」は「AIM」、「Yahoo!メッセンジャー」、「Google Talk」、「Jabber」といった他社のチャットソフトとも互換性を備えている。

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