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最新パーツ性能チェック 第119回

期待の「Radeon HD 7950」が登場、7970との性能差は?

2012年01月31日 14時01分更新

文● 宇野 貴教(解説) / シバタススム(ベンチマーク)

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 日本AMDは1月9日にRadeon HDシリーズの次世代モデル第1弾となる「Radeon HD 7970」を発売したが、それから1ヵ月を待たず1月31日に第2弾の「Radeon HD 7950」を発売する。

Radeon HDシリーズのトレードカラーである赤を基調としたデザインの「Radeon HD 7950」。冷却風をコントロールするためカード全体がカバーで覆われている

 今回アナウンスされた「Radeon HD 7950」は、型番が示すようにシングルGPU最上位モデルである「Radeon HD 7970」のひとつ下に位置するモデルで、スペックが下がるぶん価格もリーズナブルになる。ショップでの店頭価格が6万円前後であった「Radeon HD 7970」は手を出しづらいと感じたユーザーには注目のモデルだ。
 ただ、スペックが下がるといっても、それがパフォーマンスにどのくらいの差になって現われるかが気になるところ。そこで、「Radeon HD 7970」と「Radeon HD 7950」の違いを、内部仕様とベンチマークの両方から探っていきたい。

上がRadeon HD 7950、下がRadeon HD 7970。カード形状は同じだ

PCI Express補助電源コネクターは6ピンが2系統。8ピンと6ピンが各1系統のRadeon HD 7970よりも消費電力が下がったことを表している

外部出力端子は合計4系統。DVIコネクターはアナログ出力も兼ねる。小型の2つのコネクターはMini DisplayPort

CrossFireコネクターはRadeon HD 7970同様に2基用意されている

内部仕様はRadeon HD 7970と同じだが
動作クロックやメモリクロックなどが低下

 まずは内部仕様の違いから見ていこう。基本アーキテクチャーについては、両者ともに違いはなく、Radeon HD 7950もRadeon HD 7970同様に、Graphic Core Next(GCN)の採用、PCI Express 3.0対応、DirectX11.1対応など、基本スペックは共通だ。なお、GCNについてはRadeon HD 7970のレビューで解説しているのでそちらを参照してもらいたい。

GCNのStream Processorは、Radeon HD 6900で採用されたVLIWと同じもの。ただし、Radeon Coreやその他ユニットの組み合わせを見直すことでスループットを引き上げている

Radeon HD 7900シリーズのブロック図。Radeon HD 6900シリーズにあったSIMD Engineがなく、かわりに32基の「GCN Compute Unit」を搭載している

 違いは動作クロックと、搭載するRadeon Core(Stream Processor)の数、メモリクロック数など。Radeon HD 7970の動作クロックが925MHz、Radeon Core数が2048基、メモリクロックが1375MHzに対し、Radeon HD 7950はそれぞれ800MHz、1792基、1250MHzとなっており、コアクロックとRadeon Coreが約10%、メモリクロックが約5%ダウンしていることになる。

Radeon HD 7950のスペック

Radeon HD 7970との比較

 演算能力を示すCompute PerformanceやTexture Fillrateの数字を見ると、Radeon HD 7950はRadeon HD 7970の数値の約0.75倍になっているため、実際のパフォーマンス比もこの数字に近いものと推測される。

 スペックが下がったぶん消費電力も相応に低くなっており、最大消費電力は250Wから200Wと50W減り、PCI Express補助電源コネクターも6ピン×2に変更されている。ワットパフォーマンスは若干ではあるが良くなったと言えるだろう。

各ビデオカードの比較表
  Radeon HD 7970 Radeon HD 7950 GeForce GTX 580
コアの開発コード Tahiti Tahiti GF110
製造プロセス 28nm 28nm 40nm
DirectX対応 11.1 11.1 11.0
コアクロック 925MHz 800MHz 772MHz
シェーダープロセッサー数 2048 1792 512
ROPユニット数 32 32 48
メモリ転送レート(相当) 5.5GHz 5.0GHz 4GHz
メモリタイプ GDDR5 GDDR5 GDDR5
メモリインターフェース 384bit 384bit 384bit
メモリサイズ 3GB 3GB 1.5GB
最大消費電力 250W 200W 244W
外部電源 6+8ピン 6ピン×2 6+8ピン

 省電力機能はRadeon HD 7970同様に、新しい「AMD Power Tune Technology」を搭載し、きめ細かな動作クロック制御のほか、ディスプレーの電源がオフになるような状態ではPCI Expressから以外の電力供給をカットする機能を備え、待機電力を3W以下に抑えている。こういった突き詰めた省電力機能は、常時PCの電源をオンにするようなユーザーには重宝する。

「AMD Power Tune Technology」は電力管理機能。細かく動作クロックを変更でき、カードの限界まで電力を消費して性能向上に振り向けることも可能だ。一方の「AMD ZeroCore Power Technology」は、アイドル時の待機電力を3W以下に抑える機能だ

Radeon HD 7950搭載マシンでのGPU-Z実行結果

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