消費電力
システム全体の消費電力をサンワサプライの「ワットチェッカー」で計測した。なお、高負荷時は「3DMark11」を動作させているときの最高値とした。TDPが130WのCore i7-3930Kのシステムのため、全体の数値がやや高めだ。
注目は7950のアイドル時の消費電力の低さだ。7970の148ワット対して74%の110WとGPUクロックの比率以上に低く、効率のいい電力消費と言える。また、GTX 580に比べると高負荷時で106Wも下回る。
GPU温度
GPU-ZでGPUコアの温度を測定。フルロード時は「3DMark11」を走らせた直後の値を採用している。GTX 580はGIGABYTE独自の3連ファンを採用しており冷却能力が高い。リファレンスのAMD勢と比べるとやや有利なのは否めない。7950と7970はアイドル時の温度は変わらないが、高負荷時は7950の方が12度低い。
実際には採用している部品の質は異なるだろうが、7950は7970とほぼ同じアーキテクチャーであるため、GPUクロックを下げれば当然温度は下がる。ほぼ順当な結果だ。
オーバークロック耐性はどうか?
Catalystには「純正」のオーバークロックツールがあるのはご存じのことだろう。そこで7950がどこまでOCできるか試してみた。最大でGPUクロックを1100MHz、メモリークロックを1575MHzまで上げることができる。
まずは最大に設定。さらに電力コントロール設定も+20%にした。デスクトップの表示はGPU性能を必要としないため、問題なく動作。しかし、「3DMark11」を起動させるとベンチマークが走る前にソフトウェアが落ちてしまった。
そこで、GPUクロック1000MHz、メモリークロック1475MHzの組み合わせにしたところ、「3DMark11」と「Battlefield 3」は動作したものの、なぜか定格よりもスコアーが下がった。また、ベンチ中にはやや画像の乱れも見受けられた。このときのGPUの温度は65度と確かに高温ではあるものの熱暴走するレベルではない。
7970や7950には、スイッチでBIOSをデフォルト設定にできる機能が搭載されており、元からオーバークロックを意識した設計になっている。過度のオーバークロックではリミッター機能を働かせている可能性もある。とはいえ、詳細は今のところ不明だ。
そこで、7970と同等の、925MHz/1375MHzに設定したところ、この設定では安定して動作した。ベンチスコアも7970に肉薄しており、7950は7970相当で使うことができる。例えば、重量級のFPSをやるときだけオーバークロックして、それ以外は定格で使うという使い方も考えられるだろう。
7970の廉価版として期待通りの性能
オーバークロックで7970相当に!
Radeon HD 7950は、7970の廉価版として期待通りの性能と言える。問題は価格だ。参考価格で399ドル、日本市場では5万円前後が予想される。しかしこれでは7970が差額1万円以内で買えてしまうため、7950の存在意義はほとんどない。これが4万円台後半であれば、7970の下位というポジショニングは悪くない。むしろ、オーバークロックして7970相当にできるのでお買い得と言えるだろう。
性能は申し分ないので、あとは価格次第というところだ。
※お詫びと訂正:記事初出時、Radeon HD 7950とGeForce GTX 580の高負荷時における消費電力の差に誤りがありました。記事を訂正してお詫びいたします。
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