日本でもゲーマー向け周辺機器や格闘ゲーム用アーケード風ジョイスティックなどで名高い機器ベンダーの「MAD CATZ」(マッドキャッツ)は、CES 2012の主会場から少し離れたホテル内のスイートルームにブースを設けて、新作のジョイスティックなどを展示している。その中で記者が大いに注目した新製品が、ここで紹介する有線式の多機能マウス「Cyborg M.M.O. 7 Gaming Mouse」(以下MMO7)だ。
MMO7は同社の有線式ゲーミングマウス「R.A.T 7 Gaming Mouse」をベースに、その名のとおりMMORPG(大規模マルチプレイヤーオンラインRPG)向けに機能を強化した製品である。13個のプログラマブルボタンを含む15個ものボタンがあり、プログラマブルボタンには、任意のキー操作や複数キーの組み合わせ、あるいはキーの操作順を定義したマクロが設定できる。プログラマブルボタンのキー設定は、モード切替によって別のモードに切り替えられる。このモードを最大6種類まで登録できるので、最大で78個ものコマンドを登録できるというわけだ。
もちろんプログラマブルボタンは、ゲーム以外のWindowsやアプリケーション操作にも使える機能だ。例えばショートカットキーを多用する画像・動画編集ソフト(例 Photoshopシリーズ)を使う人にも、マウスボタンの1クリックで複雑な複数キー同時押しやキーマクロを実行できるので、作業効率を上げるのに役立つだろう。
多数のプログラマブルコマンドを割り当てられるMMO7は、もちろんさまざまなゲームに対応できる。それをあえてMMORPG向けと銘打っている理由は、世界中で人気ナンバーワン(日本は除く)のMMORPG「World of Warcraft」(WoW)向けに、独自のプラグインを提供していることにある。
通常、こうしたプログラマブルボタンを備えたマウスやゲームコントローラーの場合、ボタンに機能を割り当てるエディターソフトはWindows上で動く普通のアプリケーションである。MMO7もそれは同様だ。そのため例えばMMORPGやFPSのキー操作割り当て設定(プロファイル)を作ろうとすると、ゲームの画面とエディター画面を頻繁に切り替えて作業するはめになる。これはわかりにくいしミスもしやすく、慣れないとなかなか適切なプロファイルを作れないものだ。
そこでMMO7では、WoWのゲーム内で動作するプラグインを開発。単にWoWの画面上で動くというだけでなく、ゲーム内で使う呪文やアイテム、マクロコマンドといったものを、グラフィカルなアイコンをボタンに配置する方法でプロファイルを作成できる。いちいち「キーボードのこのキーに割り当てた機能はなんだっけ?」といったことを覚えていなくても、この方式なら簡単かつ正確にプロファイルが作れるわけだ。
残念ながら今のところ、プラグインはWoWしか用意されていない。いつかは「Rift」や「Star Wars: The Old Republic」といった、WoWの後を追う評価の高いMMORPGにも対応してもらいたいものだ。なお作成済みのマクロコマンドは、上記の2ゲームや「EVE Online」「Guild Wars」なども用意されている。
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