今年のInternational CESの大きなトレンドになると期待されているのが、いわゆる「スマートTV」だ。定義が定まっているとは言いがたいが、基本的に大画面デジタル放送テレビを中心として、多彩なアプリケーションやサービスを利用できる機能を取りこんだ多機能テレビ、と考えておけばよさそうだ。グーグルが鳴り物入りで「Google TV」を発表したものの、ソニーやLogitechが発売した第一世代の製品は、市場で苦戦したことでも知られている。
北米市場でのテレビシェア1位のサムスン電子は9日、記者説明会を開催し、同社が開発した「Smart TV Platform」を発表。同時に、これに対応する75型液晶テレビと、55型有機ELテレビも発表した。
75型の「ES8000」はデュアルコアCPU搭載
カメラによるジェスチャー操作にも対応
Smart TV Platformに対する製品としてまず説明されたのが、LEDバックライト搭載の75型液晶テレビ「ES8000」である。サムスン製のデュアルコアCPUを搭載し、Smart TV Platform向けのアプリケーション「Samsung Apps」を動作させる機能を持つ。
またテレビの上部にカメラが搭載されていて、ユーザーの顔を認識して画面を切り替えたり、ジェスチャーによるモーションコントロール、音声による操作などを可能としている。これらの機能をアプリケーションから使うためのAPIは、情報が公開されるとのことなので、外部の開発者が制作するSamsung Appでも使えるようだ。なお、ES8000は右側面に拡張カード用と思われるスロットがあり、そこに装着するカードで機能を強化できるようだ。
Samsung Appsには、デジタルアルバムアプリ「Party Shots」や音楽ストリーミングアプリ「FREQSHO」といったものから、iPhone/iPadやAndroidでは定番の人気パズルゲーム「Angry Birds」なども用意される。
べースのOSが何かや、ES8000の具体的な仕様については公表されなかったが、2012年中には発売されるとのことだ。また、同じSmart TV Platformに対応した55インチサイズの有機ELディスプレーテレビ「Super OLED TV」を、年内に発売することも発表された。有機ELディスプレーによる高コントラストの映像美と、3Dステレオ表示機能などを特徴としている。価格などは未定。

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