Androidのタブレットも、製品数だけでいえば珍しい存在ではなくなりつつある。だが、日本で普通に入手できて、コンパクトな7型の製品というと、意外に限られているのが現状だ。
今回評価する「メディアタブレット GALAPAGOS EB-A71GJ-B」(以下EB-A71)は、日本で初めて(ということは、おそらく世界でも初めて)WiMAXを内蔵したAndroidタブレットだ。タブレットには高速回線がよく似合う。EB-A71は日常的に使うタブレットとして、どのくらい実用的なのだろうか。
WiMAX内蔵で新生! 使い勝手は良好
EB-A71は、シャープが「GALAPAGOS」ブランドで発売しているタブレットだ。GALAPAGOSブランドというと、2010年末に発売された、電子書籍を中核としたメディアタブレットを思い浮かべる方もいそうだが、あれとこれとはハードウェアも中身もだいぶ異なる。2010年の製品は、汎用OSをウリとしない「シャープのストアから提供されるメディアコンテンツを楽しむための機器」として販売されたもの(後にAndroid 2.3対応へとアップデートされて、立ち位置を変えたが)。EB-A71は最初から「Androidのタブレット」として作られたものである。
EB-A71には、すでに販売されている姉妹機がある。イー・モバイルブランドで販売されている「A01SH」がそれだ。プロセッサーは同じTegra 2で、OSも同じAndroid 3.2。ディスプレーサイズも7型ワイド(1024×600ドット)と同じであり、デザインも似ている。
EB-A71とA01SHの最大の違いは、EB-A71はWiMAX通信モジュールを内蔵している、という点だろう。A01SHは通信会社であるイー・モバイルから販売されていたが、内蔵する通信モジュールは無線LANのみ。イー・モバイルのモバイルルーターを併用することを、前提としていた商品であったからだ。
筆者は無線LANのタブレットの良さを、契約をともなわないがゆえの「買いやすさ」にあると思っている。タブレットは通信機能がないと意味がない。だから外出先でも通信手段を保持する目的で、WAN系のモジュールは内蔵していた方がありがたい。しかし、契約しないと買えないWAN系サービスがひも付いた製品は、進化の早いタブレットなどではなかなか選びづらいところもある。買いやすさの点で選びづらいA01SHは、「せっかくいい7型タブレットなのにもったいないな」というのが正直な感想だった(もちろん、インセンティブなどの効果で入手価格が安くなるという、別の意味での「買いやすさ」はあるのだが)。
だがEB-A71は違う。「UQ WiMAX」(以下UQ)と新規契約して使う場合には、もちろん割引きでの購入もできる。他方で、あえて長期契約をせずに端末だけで購入した上で、自分がすでに契約済みのUQのサービスにひもづけて使ったり、必要な時だけUQと契約して不要になったら解約する、といった利用もできる。WAN内蔵でありながら買い方を選びやすいという点が、EB-A71のひとつの美点といえそうだ。
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