Androidを採用したタブレットが続々と発売されているが、今回試用するASUSTeK Computerの「Eee Pad Transformer TF101」(以下Transformer)ほど、モバイルPCユーザーに注目されている製品はないだろう。
なにしろタブレットとして使えるだけでなく、キーボードを取り付けて「変形」させ、ノートパソコンに近い形状で利用できるのだ。本連載の中でも、モバイル端末としてのAndroid搭載機器は何度か紹介してきたが、Transformerは大本命のひとつ。タブレット端末として、そしてパソコンに代わるモバイル端末として、どのくらい実用的なのかをチェックしてみよう。
はじめに「モバイルキーボードドック」ありきの構造
すでに述べたように、Transformerの特徴はその形状にある。ケースから出した時の形は、まるでノートパソコンのようだ。フットプリントは271mm×185mmだから、おおむね10型クラスのディスプレーを搭載したモバイルノートと同等。手に持ってみると見た目よりもずっしりした印象を受けるが、重量は1.3kgなので、決して重くはない。
だが、Transformerはあくまで「タブレット端末」である。タブレット型のボディーに、キーボードやバッテリーなどを内蔵した「モバイルキーボードドック」を取り付けたのがこの形状、ということになる。当然、本体であるタブレット部を取り外して、単独で利用することもできる。
タブレット部は、10.1型/1280×800ドット(16:10)のディスプレーを備え、プロセッサーにはTegra 2(動作周波数1GHz)、OSとしてはAndroid 3.0(Honeycomb)を採用した「イマドキのタブレット端末」といっていい。重さは約680g。内蔵ソフトなどによる差別化については後述するとして、この部分だけを見れば、そう変わった作りの製品とも見えない。
ただ、液晶ディスプレーは一見して、極めて高品質なものであることがわかる。IPS方式とのことだが、視野角の問題も感じず発色も良く、非常に見やすい。サイズ的にはiPadより少々大きい程度で、タブレット端末としてみると「高品質だが大柄」というところだろうか。

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