世界各国で展開するクーポン共同購入サイト最大手グルーポン
共同購入のグルーポン、圧倒的強さの秘密をCTOが語る
2010年12月15日 09時00分更新
クーポン共同購入サイトは、近年のインターネットビジネスで、もっとも急激に成長したサービスのひとつ。クーポン共同購入サイトを成長に導いた米グルーポンは、史上最速で成長するネットカンパニーとして脚光を浴ている。そのグルーポンの日本法人がグルーポン・ジャパンである。
グルーポン・ジャパンは、2010年6月日本独自のクーポン共同購入サイトとしてサービスを開始した「Q:pod」を運営するクーポッドを米グルーポンが8月に買収し、社名とサイトデザインを変更しグルーポンの日本法人となった。
創業からわずか数ヵ月で米グルーポンに買収され、名実もとに日本のクーポン共同購入サイトのパイオニアとなったグルーポン・ジャパン。「ネットに生きる現代の匠“CTO・エンジニア”に聞く」第6回は、10月に移転した渋谷の真新しいオフィスで、グルーポンの強さの秘密や今後の展望を技術分野のトップであるCTOの山路昇氏に話を伺った。
元祖クーポン共同購入サイト「グルーポン」
クーポン共同購入サイトとは、一定期間・時間以内に、一定人数集まった場合に売買が成立する格安クーポンを提供する共同購入サイト。
グルーポンはそのクーポン共同購入サイトの中でも群を抜く知名度で、サービスを提供し、一般的に割引率は50%以上となっている。クーポンは飲食店のほか、ネイルやエステ、ホテル、レッスンなど幅広いジャンルが1日1エリア1業種1店舗という原則に基づいて発売される。しかも、人気のあるチケットは発売と同時に売り切れるということもあるという。
ファミコンを買ってもらえず、しかたなくパソコンを選択
── まずは山路さんのエンジニアの原点を教えてください。
山路 エンジニアの原点は小学校4年の頃です。
当時ファミコンが発売され、まわりの友達は「ファミコン!ファミコン!」だったんですが、山路家ではファミコンを買ってもらえなかったんです。
そこで、ファミコンで遊ぶために電気店に行くんですが、店頭デモ用のファミコンも長蛇の列だったんで人気がなく空いていたパソコンをさわり始めたのが、この世界に入ったきっかけです。その頃から店頭のパソコンでプログラムをやり始めました。
その後、小学校6年~中学校1年くらいの時に初めてパソコンを買ってもらって、現在までプログラムを書き続けています。
── では、就職もエンジニア関連業種に?
山路 大学時代は文系だったんですが、コンピューターがずっと好きで学生時代もずっとプログラミングしていたので、どうせ就職するならプロクラムをする会社に入りたいという思いがありました。
ちょうどその時、少しずつ世の中が“インターネット、インターネット”となり、インターネットに少しでもかかわりがある会社に入ろうと思いました。
当時「ホテルの窓口」(後の旅の窓口、現・楽天トラベル)という宿泊予約サイトをやっている日立造船情報システムという会社に入社しました。
そこですぐにインターネットビジネスに関わることはありませんでしたが、3年ほどたった頃からホテルの窓口の業務に関わるようになり、その後はずっとインターネットビジネスに関わっています。
インターネットビジネスをするなら上京
── 旅の窓口にはどのくらい携わっていたのですか?
山路 2年半ほど旅の窓口に関わっていました。当時は関西に住んでいましたので、まわりにインターネットの仕事をしている人があまりいませんでした。インターネットビジネスに携わっているという刺激がなかったので、上京して働きたいと思いました。
東京では旅の窓口の経験を生かせると思い、楽天に転職しました。そこで楽天トラベルの開発に携わりました。
楽天トラベルで4年ほど働き、そのとき同僚として働いていたメンバー(フォートラベル創業者・津田全泰氏ら)とフォートラベルの立ち上げに携わり、フォートラベルCTOを経てグルーポン・ジャパンに入社したという経緯です。
── フォートラベルから、グルーポン・ジャパンへに転職された経緯は?
山路 フォートラベルCTOを2010年6月末に退任してから、新規のベンチャーを立ち上げようと色々な事業計画を毎週のように練っていました。
しかし、9月に同時期に退任したフォートラベル前社長の野田(現・グルーポン・ジャパン執行役員 野田臣吾氏)がグルーポン・ジャパンに参加し、中に入ったからこそ分かる情報を教えられ「すごく面白い!小さなベンチャーを立ち上げるより貴重な経験ができる」と誘いを受け入社を決意しました。
入社決定の経緯がユニークというか。10月20日の朝8時30分から社長をはじめボードメンバーと朝食ミーティングをして、9時には入社が決定。9時30分の朝礼にはもう出席していました。
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