中国楽天こと「楽酷天」が10月19日にスタートした(ニュースリリース)。「中国楽天」と書かれた楽酷天へのリンクが新たに作られた。
楽酷天は中国語の発音で「ラァクゥティエン」となり、「楽天」の2文字の間に挟まれた「酷」は「クール」という意味を持つ。たとえば動画共有サイトの「優酷(YOUKU)」は「優れてクール」の意味がある。
したがって、楽酷天というサイト名は、かなり日本語の楽天に近い発音にしつつ、かっこいいというイメージを付加したものとなっている。
楽天に先立つこと4ヵ月前の今年6月、ヤフーと中国ナンバーワンオンラインショッピングサイト「淘宝網(TAOBAO)」は、日本側で淘宝網の商品が購入できる「Yahoo!チャイナモール」を、中国側ではヤフーショッピングの商品が購入できる「淘日本」をそれぞれ開設した。
楽天は中国ナンバー1検索サイトの「百度(Baidu)」と提携している。すなわち海を跨いで『「楽天・百度」VS「ヤフー・淘宝網(ソフトバンク・アリババ)」』という図式になっているわけだ。
さらにややこしいのは、楽天は百度と提携しているが、百度は既に淘宝網のシェアを奪うべく「百度有〓(〓は口へんに阿)」を独自に立ち上げていること。
百度内でもライバルサイトがあるため、百度は楽酷天を全力でプッシュしていない。現に百度のサービス一覧のサイトを見ると、百度有〓が上部のまだ見やすい位置にあるのに対し、楽酷天は一番下にぽつんとリンクがある。
日中オンラインショッピングの提携となると、中国の政治的、モノ作り的両面での不信感から日本での購買促進というよりも、日本のモノが欲しい中国人の購買促進に期待するだろう。先手を打ったヤフー・淘宝網については、「日中間のショッピングは魅力!? ヤフーと「淘宝」の連携」を見ていただくとして、ここでは楽酷天について使用レポートを紹介したい。

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