コンテンツによっては大きな立体感が得られる
VW970/CSの液晶ディスプレーは、偏光板方式の3Dステレオ映像表示に対応している。付属の3Dメガネをかけて3Dコンテンツを表示すると、立体視できる。偏光板方式では、1本の走査線おきに左目用と右目用の映像を表示している。そのため、縦方向の解像度が半分になるのがネックだ。
一方、眼鏡側に特別な機構がいらないので、軽くできるのがメリットだ。本製品に付属する3Dメガネは重さ約22gと軽く、装着感も良好。眼鏡の上から3Dメガネをかけるのも苦にならない。
3Dメガネをかけて3Dステレオ映像として作成されたコンテンツを視聴したところ、最初はなかなか立体視できなかった。23型の大画面なので、やや離れて見ていたのが原因らしい。普通にパソコンを操作する距離まで顔を近づけたら、十分な立体感が得られた。
また、偏光板方式は視野角が狭いとされているが、画面から離れたりしなければ、斜めからでも普通に立体的に見えた。とはいえ、複数のユーザーが同時に視聴するのはぴったりくっつく必要があり難しそうだ。
富士フイルムの3D撮影対応デジカメ「FinePix REAL 3D W1、W3」で撮影した、3D写真や3D動画を立体表示させることもできる。子供がシャボン玉で遊んでいる動画でチェックしたが、想像以上に奥行き感があり驚いた。小さいものが空中を飛んでいるような映像は、立体視の効果が大きいようだ。
付属のBD/DVD再生ソフト「PowerDVD 3D」には、DVDの2D映像を3D化する「TrueTheater 3D」という機能が搭載されている。試しにいろいろなDVDタイトルを再生して試したところ、2D映像を擬似的3D化しているわりには、明瞭な立体感が得られるので驚いた。ただし違和感のあるシーンも多く、眼には少々負担がかかる。3D映画なら3時間見ても平気だが、TrueTheater 3Dで映画1本見るのはきつかった。
アニメの「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊2.0」を見たところ、オープニングのCGパートは立体感がリアルに感じられる。ただし、普通のアニメ絵になって、多人数が動き回るシーンになると、途端に見え方が変になる。お気に入りのDVDを3D化させて、見え方を試すような楽しみ方ならアリだが、本格的に3Dで視聴できるとは思わない方がいいだろう。ちなみに、TrueTheater 3DはBDでは利用できない。
地デジやひかりTVの3D番組も楽しめる
VW970/CSは地上/BS/110度CSデジタル放送対応のダブルチューナーを搭載しており、付属ソフトの「SmartVision」でデジタル放送を視聴・録画できる。さらに、BS11デジタルで放送されている3Dのテレビ番組も、そのまま楽しめるのが心強い。IPTVの「ひかりTV」の視聴にも対応している。フレッツ光の契約やIPv6対応のルーターなどが必要だが、ビデオオンデマンドで映画やドラマ、アニメなどのコンテンツを楽しめる。ただし、ひかりTVの番組は録画できず、地デジのIP再送信サービスは利用できないなどの制限がある。
ディスプレー下部のスピーカーはヤマハ製で、背面にはサブウーファーを備えている。低音再生技術の「SR-Bass」や高音質化技術の「MaxxAudio」をサポートし、臨場感のあるサウンドを楽しめる。ただし、スピーカーの出力は2W×2、ウーファーは6Wなので、音量はそこまで大きくならない。
YouTubeに掲載されている3D動画も、3Dステレオ映像で視聴可能だ。YouTubeは2009年7月から3D映像に対応しており、2つの動画を並べてアップロードすることで、ユーザーが手持ちの3Dシステムを選べるようになっている。VW970/CSの場合、表示する3Dシステムに「Row interleave 1/2」を選択すれば、立体視ができる。3Dの投稿動画は増えているので、現状ではYouTubeが3Dパソコンのキラーコンテンツとも言える。
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