性能は充実 グラフィックスはGeForce搭載
VW970/CSのパソコンとしての性能も確認してみよう。まず、Windows 7のエクスペリエンスインデックスのスコアは「5.9」と上々。CPUはCore i5-460M(2.53GHz)で、クロック数は低く感じるものの、ターボ・ブースト・テクノロジーに対応するなど性能は高い。OSはWindows 7 Home Premium 64bit版を採用しており、4GBのメモリーをフルに活用できる。
グラフィックス機能はモバイル向けGPUのGeForce GT 330Mを搭載し、CPU/チップセット内蔵グラフィックスよりははるかに高性能。しかし、最新の3Dゲームをフルスペックで楽しむにはやや力不足なので、解像度やエフェクトの設定を落とす必要があるだろう。
3Dはおまけとして考えても魅力的なAVパソコン
VW970/CSの3Dステレオ映像は楽しめる機能だ。動画投稿サイトのコンテンツや3Dデジカメで撮影した映像を立体視できるのは面白いし、今後発売されるBlu-ray 3Dにも対応する。ただし、3D化の効果は体感できたが、現状では市販のコンテンツが揃っていない。富士フイルムの3Dデジカメを持っていない人にとっては、まだおまけのようなものかもしれない。とはいえ、VW970/CSの魅力は3Dだけではない。
豊富な入出力端子や記録型BDドライブ、3波対応テレビチューナーなど、AVパソコン「VALUESTAR W」らしいフルスペックを備えている。また、NEC製ノートパソコンと組み合わせれば、ネットワーク経由で本機を遠隔操作する「Luiリモートスクリーン」にも対応している。リビングにお客さんがきているときでも、自室から親機に保存されている写真や動画などのコンテンツを閲覧できるのだ。
気になる実売価格だが、26万円弱というところか。BDレコーダーや大画面液晶ディスプレーが付いていることを考えると、高くはないと言っていいだろう。CPUが前モデルのCore i5-650(3.20GHz)から、ややグレードダウンしているのが気になるという人は、NECの直販サイト「NEC Direct」で、より高速なCore i7-640M(2.80GHz)を選択することもできる(プラス3万765円)。
VW970/CSは3Dコンテンツに興味があったり、3Dデジカメを購入する予定があるなら、一番にチェックしておきたいAVパソコンだ。
VW970/CS の主な仕様 | |
---|---|
CPU | Core i5-460M(2.53GHz) |
メモリー | 4GB |
グラフィックス | GeForce GT 330M |
ディスプレー | 23型ワイド、1920×1080ドット、3D対応 |
ストレージ | HDD 1.5TB |
光学ドライブ | 記録型BDドライブ |
テレビ機能 | 地上/BS/110度CSデジタル放送×2 |
無線通信機能 | IEEE 802.11a/b/g/n |
インターフェース | USB 3.0×2、USB×6、IEEE 1394、HDMI入力、D4映像入力、光デジタルオーディオ出力、10/100/1000BASE-T LANなど |
サイズ | 幅573×奥行き253×高さ467mm |
質量 | 約19kg |
OS | Windows 7 Home Premium 64bit |
価格 | オープンプライス(実売価格 26万円前後) |
筆者紹介─柳谷智宣

1972年生まれ。ネットブックからワークステーションまで、日々ありとあらゆる新製品を扱っているITライター。現在使っているノートパソコンは、東芝のSS RXとMac。とはいえ、1年以上前の製品なので、買い換えを思案中。日経パソコンオンラインで「ビジネスパソコンテストルーム」、週刊SPA!で「デジペディア」を連載するほか、パソコンやIT関連の特集や連載、単行本を多数手がける。近著に「仕事が3倍速くなるケータイ電話秒速スゴ技」(講談社)、「PDFビジネス徹底活用技」(技術評論社)、「Linkedln人脈活用術」(東洋経済新報社、共著)。

この連載の記事
- 第133回 Skyrimも快適? GeForce内蔵Ultrabook ASUSTeK UX32VD
- 第132回 写真やゲームをより美しく見せるナナオの液晶 FS2333
- 第131回 デジカメとスマホを手軽に連携する無線LAN SDカード FlashAir
- 第130回 スレートPCをCore i7で蘇らせたオンキヨー TW3A-A31
- 第130回 無線とタッチで使い勝手が進化したペンタブレット Intuos5
- 第129回 14型のUltrabookはアリか? デザイン重視のENVY 14 SPECTRE
- 第129回 小型でも強力GPU搭載のゲームPC Alienware X51を検証
- 第129回 Ultrabookと一緒に持ち歩きたい 超小型マウス「Cube」
- 第129回 店頭モデルも4コアCPUに パワーアップしたLets'note B10
- 第128回 WiMAXモバイルルーターの決定版!? Aterm WM3600Rを試す
- 第127回 高速SSDで起動・復帰が速いUltrabook Aspire S3-951
- この連載の一覧へ