ファンレスではないが動作音は静か
TS miniは電源とネットワークを挿し、電源スイッチを入れるだけで、すぐにホームサーバーとして使用できる。ハードウェアとしては非常にシンプルだ。Atom CPUを使用しているため発熱が少なく、動作音は非常に静かだ。さすがにHDDを2台内蔵できるだけあってファンレスとはいかないが、低速で回転している小さなケースファンが2つ上部についているだけだ。Atom CPUやチップセットには、ヒートシンクしかない。
標準で入っているHDDは、米シーゲイトのBarracuda(7200回転)であるが、クライアントからWHSにアクセスしているときには、HDDの音がやや気になる。逆に言えば、HDDの音が気になるほどTS mini本体は静かと言える。もしHDD音が気になるなら、静音性が高く消費電力の小さいHDDに入れ替えてもいい。
TS miniには光学ドライブはないが、クライアント側からシステムの再設定を行なえる。後述するクライアントソフトにシステムドライブを入れ替える設定が用意されており、新しいHDDをシステムドライブとして、簡単にWHSを再インストールできる。
長時間動作するホームサーバーという用途を考えれば、Atom CPUを使って省電力化されているのもメリットだ。24時間365日動かしていても、電気代が多くかかるといったこともないだろう。
WHSは最新版のPower Pack 3を採用
WHSというOSは、Windows Server 2003をベースに開発されている。ただしホームサーバーという用途に合わせて、ユーザーインタフェースや機能が家庭向きにチューニングされている(詳細は関連記事参照)。
TS miniが採用しているWHSのPower Pack 3(以下WHS PP3)は、Windows 7への対応強化が大きなトピックで、そのほかにMedia Center対応といった改良も含んでいる。
まずWindows 7対応の改良では、Windows 7の特徴である「ライブラリ」に対応している。クライアントとなるWindows 7搭載パソコンに、WHSを使うための「WHSコネクタソフトウェア」をインストールすると、クライアント側のライブラリにWHSの共有フォルダーが追加される。これにより、ライブラリーからもシームレスに共有フォルダーが利用できるようになる。
Media Center対応は、クライアント側で動作する「Windows Media Center Connector」(以下WMC Connector)というソフトで実現されている。WMC Connectorをインストールすると、クライアントのWindows Media Center内からWHSにアクセスできるようになる。つまりMedia Center上から、WHSの各種設定を変更・確認できるようになる。
またWHS PP3では、地上デジタル放送にも対応している。Media Center対応の地デジチューナーで録画した番組を、WHSサーバーにアーカイブしてくれる(TVアーカイブ)。ただし、この機能は直接WHSサーバーに録画するのではなく、いったんクライアントのストレージ上に録画したあとで、自動的にWHSサーバーの共有フォルダーに移動するものだ。当然ながら、WHSの共有フォルダーに録画番組のファイルを移動したとしても、録画したクライアントだけでしか再生できない。
このあたりは、地デジの著作権保護と絡むため、ユーザー側ではどうにもならない。マイクロソフトがWHSにDTCP-IP対応のDLNAサーバー機能を追加するか、サードパーティーによるWHS用のDTCP-IP対応DLNAサーバーが提供されることを期待するしかない。
もちろん、従来からWHSに搭載されているクライアント側をバックアップする機能や、クライアントのアクションセンター機能のチェックなどもWindows 7に対応している。
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